エックス線装置を用いて透過写真撮影を行う場合のエックス線の遮蔽及び散乱線の低減に関する次の記述のうち、誤っているものはど…
エックス線の管理に関する知識 第9問
エックス線装置を用いて透過写真撮影を行う場合のエックス線の遮蔽及び散乱線の低減に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- (1)絞りは、エックス線束の広がりを制限し、エックス線を必要な部分にだけ照射するために用いる。
- (2)ろ過板は、被写体からの後方散乱線の低減に効果がある。
- (3)照射筒は、照射口に取り付けるラッパ状の遮蔽体で、エックス線束及び散乱線が外部へ漏えいしないようにするために用いる。
- (4)遮蔽体には、原子番号が大きく、密度の高い物質を用いるのがよい。
- (5)コンクリートの遮蔽体は、同程度の遮蔽効果を得るために鉛の約2倍の厚さが必要であるが、施工が容易で安価であるため広く用いられている。
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
コンクリートの遮蔽体は、同程度の遮蔽効果を得るのに、鉛よりはるかに厚くしなければなりません。工業用エックス線のエネルギー(数十~数百keV)では、半価層で比べて数十倍になることもあります。「約2倍」ではありません。
【鉛とコンクリートの違い】
鉛 密度11.4g/cm³ 原子番号82
コンクリート 密度約2.3g/cm³ 主成分は軽い元素
→ 密度で約5倍、原子番号でも大きく違う
光電効果は原子番号の4~5乗に比例するので、鉛のほうがけた違いによく遮蔽します。2倍で済むはずがありません。
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【それでもコンクリートを使うわけ】
施工が容易で安価
放射線装置室の壁のように、広い面積を厚くする場合は、鉛を使うと費用も重量も膨大になります。厚くできる場所なら、コンクリートのほうが現実的です。この部分の記述は正しく、倍率だけが誤っています。
【ほかの選択肢】
(1) 絞りは、エックス線束の広がりを制限し、必要な部分にだけ
照射するために用いる 正しい
(2) ろ過板は、被写体からの後方散乱線の低減に効果がある
正しい
(3) 照射筒は、照射口に取り付けるラッパ状の遮蔽体で、
エックス線束及び散乱線が外部へ漏えいしないようにする
正しい
(4) 遮蔽体には、原子番号が大きく、密度の高い物質を用いるのが
よい 正しい
【ろ過板の役目】
軟エックス線(低エネルギー成分)を吸収する
→ 線質が硬くなる(平均エネルギーが上がる)
→ 被写体で散乱されやすい成分が減る
→ 後方散乱線が減る
軟エックス線は透過力が弱く、写真には役立たずに散乱するだけです。あらかじめ取り除きます。
【絞りと照射筒】
絞り 線束の広がりを制限する
照射筒 照射口に付けるラッパ状の筒
どちらも「必要なところだけに当てる」ための道具です。余計な方向へ出る線を減らせば、まわりの被ばくが減ります。
出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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