放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第36問
放射線による遺伝的影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)遺伝的影響には、しきい線量があり、ヒトでは1Gy程度と推定されている。
- (2)生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはない。
- (3)胎内被ばくを受け、出生した子供にみられる発育遅延は、遺伝的影響である。
- (4)親の体細胞に突然変異が生じると、子孫に遺伝的影響が生じる。
- (5)倍加線量は、放射線による遺伝的影響を推定する指標とされ、その値が小さいほど遺伝的影響は起こりにくい。
正答 (2)
正答は (2)。これが正しい記述です。
生殖腺が被ばくしなければ、遺伝的影響が生じるおそれはありません。
【遺伝的影響が起こる条件】
生殖細胞(精子・卵子のもと)の突然変異
遺伝的影響とは、子孫に現れる影響です。子孫に伝わるのは生殖細胞の情報だけですから、生殖腺が被ばくしなければ起こりようがありません。
手だけを被ばくしても、子に影響は伝わりません。
【ほかの選択肢】
(1) 遺伝的影響は確率的影響であり、しきい線量はない
(3) 胎内被ばくによる発育遅延は、被ばくした本人(胎児)に
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現れる身体的影響 → 遺伝的影響ではない
(4) 遺伝的影響は生殖細胞の突然変異による。体細胞の突然
変異では子孫に伝わらない
(5) 倍加線量は、その値が小さいほど遺伝的影響が起こりやすい
【身体的影響と遺伝的影響】
身体的影響 被ばくした本人に現れる
遺伝的影響 子孫に現れる
(3)の胎児は、母親の胎内で自分が被ばくしたのです。その子
自身に現れる影響ですから、身体的影響です。「胎内」という言葉から遺伝を連想させる引っかけです。
【体細胞と生殖細胞】
体細胞の突然変異 → その人自身のがんなど
生殖細胞の突然変異 → 子孫への遺伝的影響
(4)は、この区別を取り違えています。
【倍加線量】
自然に起こる突然変異の頻度を2倍にする線量
値が小さい → 少ない線量で2倍になる → 起こりやすい
値が大きい → たくさん当てないと2倍にならない
→ 起こりにくい
値と起こりやすさは逆向きです。半致死線量と同じ考え方です。ヒトでは約1Gyと推定されています。
【しきい線量がないわけ】
遺伝的影響は確率的影響
がんと同じく、どんなに少ない線量でも、確率はゼロにならないという前提で防護が組み立てられています。(1)が挙げる「1Gy程度」は、倍加線量の値であってしきい線量ではありません。
出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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