放射線の生体影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。…
エックス線の生体に与える影響に関する知識 第37問
放射線の生体影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- (1)酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものである。
- (2)線エネルギー付与(LET)とは、物質中を放射線が通過するとき、荷電粒子の飛跡に沿って単位長さ当たりに物質に与えられるエネルギーをいい、放射線の線量率を表す指標とされる。
- (3)組織加重係数が最も大きい組織・臓器は、脳である。
- (4)全致死線量は、半致死線量の2倍に相当する線量であり、この線量を被ばくした個体は数時間~数日のうちに死亡する。
- (5)平均致死線量は、被ばくした集団のうち50%の個体が一定の期間内に死亡する線量である。
正答 (1)
正答は (1)。これが正しい記述です。
酸素増感比(OER)は、酸素が存在しない状態と存在する状態とを比較し、同じ生物効果を与える線量の比で、酸素効果の大きさを表すものです。
【酸素増感比】
OER = 低酸素下で必要な線量 ÷ 酸素下で必要な線量
酸素があると効きが強くなるので、酸素下では少ない線量で済みます。分母が小さくなるため、OERは1より大きい値になります(低LET放射線でおよそ2~3)。
【酸素効果】
酸素があると、ラジカルが安定な過酸化物になり、傷が固定される
修復されにくくなるので、影響が大きくなります。間接作用に関わる現象です。
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【ほかの選択肢】
(2) LETは、単位長さ当たりに与えられるエネルギーであり、
線量率を表す指標ではない
(3) 組織加重係数が最も大きいのは赤色骨髄、結腸、肺、胃、乳房
(0.12)。脳は0.01で最も小さい部類
(4) 全致死線量は、被ばくした個体がすべて死亡する線量。
半致死線量の2倍と決まっているわけではない
(5) 平均致死線量は、細胞の生存率が37%になる線量。
50%が死亡する線量は半致死線量
【LET(線エネルギー付与)】
荷電粒子の飛跡に沿って、単位長さ当たりに物質へ与えられる
エネルギー
単位はkeV/µm。どれだけ密にエネルギーを置いていくかを表します。時間あたりの量ではないので、線量率とは別物です。
低LET エックス線、ガンマ線、β線
高LET 中性子線、α線、重粒子線
【脳の組織加重係数が小さいわけ】
組織加重係数は、がんの起こりやすさの重み
脳は神経細胞がほとんど分裂しないため、がんになりにくい。放射線でよく傷むのは骨髄や腸のような、盛んに分裂する組織です。
【平均致死線量と半致死線量】
平均致死線量(D₀) 細胞の生存率が37%になる線量
半致死線量(LD₅₀) 個体の50%が死亡する線量
37%という半端な数字は、1/e(eは自然対数の底)から来ます。指数関数的に減る曲線で、1回の致死的な傷を受ける平均線量にあたります。
【LD₅₀/₆₀】
60日以内に50%が死亡する線量。ヒトでは約4Gy
出典:エックス線作業主任者 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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