72 歳男性。S 状結腸穿孔により腹膜炎を発症し、敗血症性ショックの診断で集中治療室(ICU)に入室となった。人工呼吸器…
薬学実践問題(実務) 第301問
72 歳男性。S 状結腸穿孔により腹膜炎を発症し、敗血症性ショックの診断で集中治療室(ICU)に入室となった。人工呼吸器管理下でノルアドレナリン注射液、ドブタミン塩酸塩注射液及び注射用メロぺネムを使用していたが、皮下出血、血小板数の低下、プロトロンビン時間の延長及びフィブリノゲンの低下が観察され、敗血症性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された。DIC 診断に伴い、未分画ヘパリンおよびガベキサートの投与が開始された。開始後は活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長が認められたが、数日後APTT の延長が乏しくなった。現在の所見及び検査値は以下のとおりである。(所見及び検査値)体温37.6 ℃、脈拍数92 拍/分、呼吸数22 回/分、赤血球数500 × 10⁴/μL、白血球数14,500/μL、血小板数6.1 × 10⁴/μL、CRP 7.8 mg/dL、アンチトロンビン活性62%、APTT 18.1 秒(基準対照32.2)、フィブリン・フィブリノゲン分解産物(FDP)20.4 μg/mL(基準値< 5)今後の治療について、医師よりICU 担当薬剤師に意見を求められた。適切な提案はどれか。2つ選べ。
- (1)未分画ヘパリンを中止し、トラネキサム酸を投与する。
- (2)アンチトロンビンガンマを投与する。
- (3)出血がないことを確認して、トロンボモデュリンアルファを投与する。
- (4)人赤血球液を投与する。
- (5)アスピリンを投与する。
正答 (2)(3)
正答は (2)と(3)。アンチトロンビン活性が 62%と下がってヘパリンが効きにくく、アンチトロンビン製剤と、出血がなければトロンボモデュリン製剤を使います。
ヘパリンはアンチトロンビンと結合して働くため、アンチトロンビンが減ると APTT が延びにくくなります。アンチトロンビン ガンマは、アンチトロンビンが低下した(70%以下)DIC に使います。トロンボモデュリン アルファはトロンビンと結合してプロテインC を活性化し、凝固を抑えます。頭蓋内出血や消化管出血など重い出血のある患者には使えないため、出血がないことを確かめます。
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【ほかの選択肢】
(1) 線溶を抑えると微小血栓が溶けにくくなり、臓器障害を悪くするおそれがある 誤り
(4) 赤血球数 500 × 10⁴/μL で貧血はなく、輸血の理由がない 誤り
(5) 血小板が減り出血の危険がある中で、抗血小板薬を加えるのは不適切 誤り
出典:第107回 薬剤師国家試験 問301(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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