50 歳男性。身長170 cm、体重81 kg(BMI 28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高…
薬学理論問題(薬理) 第158問
50 歳男性。身長170 cm、体重81 kg(BMI 28)。特に自覚症状は無く服薬歴もなかったが、健康診断で血圧が高いことを指摘された。家庭での血圧自己測定においても、連日140/90 mmHg 台と高く推移していたため受診した。診察室での血圧は146/92 mmHg、心拍68 拍/分(整)で、その他特記すべき異常所見は認められなかった。その後の複数回の受診時の血圧も同様に高く、Ⅰ度高血圧と診断された。飲酒は毎日缶ビール(350 mL)1 本程度で、喫煙歴はない。しばらく生活習慣の改善を試みたが、診察室・家庭血圧ともに降圧はほとんど認められなかったため、薬物療法を開始することになった。高血圧症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)アリスキレンは、レニンを阻害することで、アンジオテンシンⅠの産生を抑制する。
- (2)アテノロールは、アドレナリンβ₁ 受容体遮断により心拍出量を減少させるとともに、アドレナリンα₁ 受容体遮断により血管収縮を抑制する。
- (3)シルニジピンは、電位依存性N 型Ca²⁺ チャネルを遮断することで、交感神経終末からのノルアドレナリン放出を抑制する。
- (4)リシノプリルは、キニナーゼⅡを阻害することで、ブラジキニンの生成を抑制する。
- (5)クロニジンは、延髄の血管運動中枢のアドレナリンα₂ 受容体を遮断することで、交感神経活動を抑制する。
正答 (1)(3)
正答は (1)と(3)。アリスキレンはレニンを直接阻害してアンジオテンシンⅠの産生を抑え、シルニジピンは N 型 Ca²⁺ チャネルも遮断してノルアドレナリンの放出を抑えます。
アリスキレンは直接的レニン阻害薬で、アンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンⅠができる段階を止めます。シルニジピンはジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬で、L 型に加え交感神経終末の N 型 Ca²⁺ チャネルを遮断し、反射性の頻脈が起こりにくいとされます。
【ほかの選択肢】
(2) アテノロールはβ₁ 選択的遮断薬で、α₁ 受容体の遮断作用はない(α・β遮断薬はカルベジロールなど) 誤り
解説の続きをみる続きを閉じる
(4) リシノプリルはキニナーゼⅡ(ACE)を阻害し、ブラジキニンの分解を抑える。ブラジキニンは増える 誤り
(5) クロニジンは、延髄のα₂ 受容体を刺激して交感神経活動を抑える。遮断ではない 誤り
出典:第108回 薬剤師国家試験 問158(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学理論問題(薬理)」のほかの問題
- 2021年(令和3年) 第160問53 歳男性。身長170 cm、体重90 kg。喫煙歴あり(15 本/ 日)、機会飲酒。
- 2022年(令和4年) 第155問全身麻酔薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2024年(令和6年) 第152問末梢性筋弛緩薬に関連した記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2024年(令和6年) 第168問35 歳男性。献血時の検査でヒト免疫不全ウイルス(HIV)抗体陽性となり、HIV 感染症
- 2025年(令和7年) 第163問50 歳男性。営業職で飲酒の機会が多く、5 年間で体重は8 kg 増加した。健診にて4
- 2026年(令和8年) 第161問62 歳女性。10 年前から高血圧症と脂質異常症の治療を受けていたが、それ以外は心疾患を
スポンサーリンク

