70 歳男性。体重65 kg。ループス腎炎と脳梗塞に対して、それぞれタクロリムスカプセルとワルファリン錠を服用していた。…
薬学実践問題(実務) 第229問
70 歳男性。体重65 kg。ループス腎炎と脳梗塞に対して、それぞれタクロリムスカプセルとワルファリン錠を服用していた。2 週間前から微熱、咳、痰、寝汗などが続き、昨日、痰に血が混じっていたため、不安を感じて病院を受診した。胸部CT 検査で両側に空洞化を伴う多発性浸潤陰影を認め、喀痰の塗抹検査で病原体が検出されたため、入院し、直接服薬確認療法(DOTS)が行われることとなった。(入院時の検査値)AST 26 IU/L、ALT 27 IU/L、血清クレアチニン1.8 mg/dL、血清アルブミン3.6 g/dL、総ビリルビン0.7 mg/dL主治医より、イソニアジド錠、リファンピシンカプセル、エタンブトール錠、ピラジナミド錠の4 剤でDOTS を開始することが薬剤師に伝えられた。薬剤の服用にあたり、薬剤師が主治医に伝えるべき内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)肝機能障害があるため、イソニアジドの使用を避けるべきである。
- (2)ワルファリンの作用が減弱することがある。
- (3)視神経障害が現われることがあるため、定期的に視力等を確認する必要がある。
- (4)腎機能障害があるため、エタンブトールを他剤に変更すべきである。
- (5)タクロリムスの血中濃度が上昇することがある。
正答 (2)(3)
正答は (2)と(3)。リファンピシンは CYP を誘導してワルファリンの作用を弱め、エタンブトールは視神経障害を起こすので視力などを定期的に確かめます。
リファンピシンは CYP2C9 や CYP3A4 などを強く誘導するので、ワルファリンの効果が下がり、PT-INR の確認と用量の調節が必要です。エタンブトールは視力低下・視野狭窄・色覚異常などの視神経障害を起こすことがあり、視力検査を定期的に行います。
【ほかの選択肢】
(1) AST・ALT・総ビリルビンは基準内で、肝機能障害はない。イソニアジドを避ける理由はない 誤り
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(4) エタンブトールは腎臓から排泄されるので、腎機能が低いときは投与量や投与間隔を調節して使う。変更すべきとまではいえない 誤り
(5) リファンピシンは CYP3A4 を誘導し、タクロリムスの血中濃度を下げる。上がるのではない 誤り
出典:第108回 薬剤師国家試験 問229(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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