69 歳男性。数日前より髪の毛が抜けやすくなり、ふけや頭皮のかゆみを自覚した。皮膚科を受診したところ、頭部白癬と診断され…
薬学実践問題(薬剤) 第270問
69 歳男性。数日前より髪の毛が抜けやすくなり、ふけや頭皮のかゆみを自覚した。皮膚科を受診したところ、頭部白癬と診断され、経口抗真菌薬で治療することになった。男性は以下の処方箋を持って、薬局を訪れた。男性の持参したお薬手帳を薬剤師が確認したところ、現在服用中の薬剤との薬物相互作用が懸念された。(処方)イトラコナゾールカプセル50 mg 1 回2 カプセル(1 日2 カプセル)1 日1 回 朝食直後 14 日分(お薬手帳から確認された現在の服用薬)オルメサルタン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)フェブキソスタット錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後ビルダグリプチン錠50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後ミグリトール口腔内崩壊錠50 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食直前シンバスタチン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後お薬手帳から確認された現在服用中の薬剤とイトラコナゾールカプセルとの間で懸念される薬物相互作用の発現機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- (1)胃内pH の上昇による溶解性の低下
- (2)核内受容体を介した小腸P︲糖タンパク質の発現量増加
- (3)肝臓のOATP1B1 に対する競合阻害
- (4)代謝物によるCYP3A4 の不可逆的阻害
- (5)ヘム鉄への配位結合によるCYP3A4 の阻害
正答 (5)
正答は (5)。イトラコナゾールはアゾール環の窒素が CYP3A4 のヘム鉄に配位して酵素を阻害し、シンバスタチンの血中濃度を上げます。
お薬手帳の薬のうち、CYP3A4 で主に代謝されるのはシンバスタチンで、イトラコナゾールとは併用禁忌です。イトラコナゾールなどアゾール系抗真菌薬は、アゾール環の窒素原子が CYP のヘム鉄に配位結合して酵素を強く阻害します。シンバスタチンの血中濃度が上がり、横紋筋融解症の危険が高まります。
【ほかの選択肢】
(1) 胃内 pH の上昇でイトラコナゾールの溶解性が落ちるのは、胃酸を抑える薬との組合せ。手帳の薬にない 誤り
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(2) 核内受容体(PXR)を介して P-糖タンパク質を誘導するのはリファンピシンなど 誤り
(3) OATP1B1 の阻害が問題になるのはシクロスポリンなど。この組合せの主な機序ではない 誤り
(4) 代謝物による不可逆的な阻害(MI 複合体の形成)はクラリスロマイシン・エリスロマイシンなどマクロライド系の特徴 誤り
出典:第110回 薬剤師国家試験 問270(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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