溶接アークの性質について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接施行方法の概要に関する知識 第12問
溶接アークの性質について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)熱源が鉄アークの場合、その温度は約6000℃とされている。
- (2)低電圧高電流の条件で得られるアークは、直流でアークの長さが一定の場合、数アンペアの小電流のときは、電流が増加すると電圧は減少する。
- (3)交流の場合は、アークが明滅するため、直流の場合よりアークの維持が困難である。
- (4)直流の場合は、アークの長さが長いほどアーク電圧は低くなる。
- (5)直流電源を用いる場合、棒マイナスは溶込みが大きく、棒プラスは溶込みが小さい。
正答 (4)
正答は (4)。これが適切でありません。
直流の場合、アークの長さが長いほどアーク電圧は高くなります。低くなるのではありません。
アーク長とアーク電圧は、おおむね比例します。長い道のりに電流を流すには、それだけ高い電圧が要る、と考えれば分かります。
【ほかの選択肢】
(1) 熱源が鉄アークの場合、その温度は約6000℃ 正しい
(2) 直流でアークの長さが一定の場合、数アンペアの小電流のときは、電流が増加すると電圧は減少する 正しい
(3) 交流の場合は、アークが明滅するため、直流の場合よりアークの維持が困難 正しい
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(5) 棒マイナスは溶込みが大きく、棒プラスは溶込みが小さい 正しい
【二つの関係を分けて覚える】
アーク長と電圧 長いほど電圧が高い(比例)
電流と電圧 小電流の範囲では、電流が増えると電圧が下がる
(アークの負特性)
(2)と(4)は別々の話です。(2)は電流を変えたとき、(4)はアーク長を変えたときのことを言っています。
【アーク長で電圧が決まるから】
アーク電圧を見ていれば、アーク長が分かる
自動溶接では、これを使ってアーク長を制御します。
【アーク長が長すぎるとどうなるか】
アークが不安定になる
空気を巻き込み、ブローホールが出る
スパッタが増える
アンダカットが出やすい
だから、溶接棒の径と同じくらいの短いアーク長を保ちます。
【極性と溶込み】
棒マイナス(正極性) 母材が陽極 → 母材がよく溶ける(深い)
棒プラス(逆極性) 電極が陽極 → 電極がよく溶ける(浅い)
直流アークの熱は、陽極側に60〜70%、陰極側に25〜30%分かれます。
出典:普通ボイラー溶接士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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