炭素鋼の溶接における予熱及び後熱に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接施行方法の概要に関する知識 第16問
炭素鋼の溶接における予熱及び後熱に関する記述について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)溶接金属及び熱影響部の切欠きじん性を向上させる。
- (2)溶接部からの拡散性水素の放出を防止する。
- (3)溶接部に発生する割れを防止する。
- (4)溶接部の残留応力を低減させる。
- (5)溶接による変形を防止する。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でありません。
予熱及び後熱の目的は、拡散性水素の放出を防止することではありません。反対に、拡散性水素を放出させる(逃がす)ことが目的です。
溶接部にたまった水素は、割れのもとです。あたためてゆっくり冷ませば、固まるまでの間に水素が外へ抜けていきます。
【ほかの選択肢】
(1) 溶接金属及び熱影響部の切欠きじん性を向上させる 正しい
(3) 溶接部に発生する割れを防止する 正しい
(4) 溶接部の残留応力を低減させる 正しい
(5) 溶接による変形を防止する 正しい
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【予熱と後熱】
予熱 溶接する前に、母材をあたためておく
後熱 溶接した直後に、しばらくあたためておく
どちらも、冷える速さをゆるめるための手当てです。
【冷え方をゆるめると良いわけ】
急に冷えると、硬くてもろい組織(マルテンサイト)ができる
急に冷えると、水素が抜けきらないまま閉じ込められる
急に冷えると、縮みが一気に進んで残留応力が大きくなる
硬化、水素、応力の三つがそろうと、低温割れ(ビード下割れ)が起きます。予熱はその三つを同時に弱めます。
【拡散性水素はどこから来るか】
溶接棒の被覆剤が吸った湿気
母材に付いた油、錆、水分
だから溶接棒の乾燥も、割れ防止の一部です。
【低水素系溶接棒との関係】
水素そのものを減らすのが低水素系溶接棒
入った水素を逃がすのが予熱・後熱
入口を絞る手と、出口を広げる手の両方を使います。
出典:普通ボイラー溶接士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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