株式会社Aは、令和7 年3 月20日に委任事項に「甲土地の分合筆の登記申請に関する一切の件」とのみ記載された委任状(以下…

午後の部(不動産登記法・土地家屋調査士法) 午後の部 第7問

株式会社Aは、令和7 年3 月20日に委任事項に「甲土地の分合筆の登記申請に関する一切の件」とのみ記載された委任状(以下「本件委任状」という。)を作成して、土地家屋調査士Bに土地の分合筆の登記の申請(以下「本件登記申請」という。)を委任した。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1 から5 までのうち、どれか。ア Bが、株式会社Aから登記識別情報の提供を受けて、登記識別情報提供様式を作成して電子申請の方法により本件登記申請をする場合には、登記識別情報の暗号化についての特別の授権は不要である。イ 株式会社Aの代表取締役が令和7 年4 月1 日に替わったときであっても、Bは、同月2 日に株式会社Aを代理して本件登記申請をすることができる。ウ Bが株式会社Aの許諾を得て復代理人を選任したときであっても、Bは、株式会社Aを代理して本件登記申請をすることができる。エ Bが令和7 年4 月1 日に死亡した場合には、Bの相続人である土地家屋調査士Cは、Bの地位を承継したものとして、株式会社Aを代理して本件登記申請をすることができる。オ 本件登記申請の際に納付した登録免許税に過誤納があった場合には、Bは、本件委任状に基づいて、株式会社Aを代理してその還付金を受領することができる。

正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとウです。 【ア】誤り 電子申請で登記識別情報を提供するときは、法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して提供します(不動産登記規則66条1項1号)。このとき登記識別情報は暗号化して送信しますが、登記の実務では、代理人が本人の登記識別情報を暗号化して提供するには、委任状に暗号化についての特別の授権の記載が必要とされています。「分合筆の登記申請に関する一切の件」との記載だけでは足りません。 【イ】正しい 本件委任状の委任者は株式会社Aという法人自体です。代表取締役が替わっても、法人から授与された代理権は消滅しないとされています(不動産登記法17条4号が、法定代理人の代理権の消滅・変更によっても登記の申請の委任による代理権は消滅しないとするのと同じ趣旨です)。Bは、4月2日に株式会社Aを代理して申請することができます。
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【ウ】正しい 委任による代理人は、本人の許諾を得たときは復代理人を選任することができます(民法104条)。復代理人を選任しても、代理人自身の代理権は消滅しないので、Bは引き続き株式会社Aを代理して申請することができます。 【エ】誤り 代理権は、代理人の死亡によって消滅します(民法111条1項2号)。不動産登記法17条が登記の申請の委任による代理権が消滅しないとしているのは、本人の死亡などの場合で、代理人の死亡は含まれていません。Bの相続人Cが土地家屋調査士であっても、Bの代理人の地位を承継することはできません。 【オ】誤り 登記の実務では、登録免許税の過誤納金の還付金を代理人が受領するには、委任状にその受領についての特別の委任が記載されていることが必要とされています。「分合筆の登記申請に関する一切の件」とのみ記載された委任状では、還付金を受領する権限は含まれません。 【まとめ】 正しいのはイとウで、この組合せは (3) です。

出典:2025年(令和7年度) 土地家屋調査士試験 午後の部 第7問(法務省 公表)出典元ページ

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