次の文章は,計器用変成器の変流器に関する記述である。その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選…
法規 第10問
次の文章は,計器用変成器の変流器に関する記述である。その記述内容として誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- (1)変流器は,一次電流から生じる磁束によって二次電流を発生させる計器用変成器である。
- (2)変流器は,二次側に開閉器やヒューズを設置してはいけない。
- (3)変流器は,通電中に二次側が開放されると変流器に異常電圧が発生し,絶縁が破壊される危険性がある。
- (4)変流器は,一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化するので,電流計の選択には注意が必要になる。
- (5)変流器の通電中に,電流計をやむを得ず交換する場合は,二次側端子を短絡して交換し,その後に短絡を外す。
正答 (4)
正答は (4)。
【誤りの選択肢 (4)】
「一次電流が一定でも二次側の抵抗値により変流比は変化する」が誤りです。変流器の変流比は、一次巻線と二次巻線の巻数の比で決まり、二次側につながる負担(バーデン)の抵抗値によって変わるものではありません。
I1 × N1 = I2 × N2
I1 ÷ I2 = N2 ÷ N1
たとえば100A を5A に変換する変流器であれば、二次側に電流計をつなごうが継電器をつなごうが、一次に100A が流れれば二次には5A が流れます。ただし、二次側の負担が大きくなりすぎると鉄心の磁束が増えて飽和に近づき、比誤差や位相角誤差が規定の階級を超えることはあります。とはいえ、これは誤差が広がるという話であって、変流比そのものが設計値から変わるわけではありません。したがって記述は誤りです。
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【正しい選択肢の確認】
(1) 変流器は、一次電流が作る磁束を介して二次側に電流を生じさせる
計器用変成器です。原理は変圧器と同じ電磁誘導です。正しい記述です。
(2) 変流器の二次側には、開閉器やヒューズを設けてはいけません。
これらが開けば二次側が開放状態になり、きわめて高い電圧が現れて危険だからです。正しい記述です。
(3) 通電中に二次側を開放すると、
一次電流のほとんどが励磁電流として働くことになります。本来はごくわずかであるはずの励磁電流が定格電流と同じ大きさになるため、鉄心の磁束が極端に増えて飽和し、磁束が急峻に変化する瞬間に二次巻線へ非常に高い尖頭電圧が現れます。巻数の多い二次巻線ではこれが数千ボルトにも達することがあり、絶縁破壊や感電の危険があります。正しい記述です。
(5) 通電中に電流計を交換するときは、
まず二次側端子を短絡してから電流計を外し、新しい計器をつないだあとで短絡を外します。短絡しておけば二次電流が流れ続けるので、鉄心が飽和せず、危険な電圧も現れません。正しい記述です。
【計器用変圧器との対比】
覚え方として、二つの計器用変成器を対にして押さえると確実です。
計器用変圧器 線路に並列に接続。二次側を短絡してはならない。
変流器 線路に直列に接続。二次側を開放してはならない。
電圧計は並列で開放しても平気、電流計は直列で短絡しても平気、という基本と対応しています。
出典:令和5年度下期第三種電気主任技術者 法規科目 問10(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ
最終更新日
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