巻上機によって質量1 200 kg の物体を0.3 m/s の一定速度で巻き上げているときの電動機出力[kW]の値として…

機械 第11問

巻上機によって質量1 200 kg の物体を0.3 m/s の一定速度で巻き上げているときの電動機出力[kW]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,機械効率は98 %,重力加速度は9.8m/s²,ロープの質量及び加速に要する動力については考慮しないものとする。

正答 (3)
正答は (3)。 【使う式】 一定の速度で物体を巻き上げるとき、電動機が出さなければならない出力は  P = m × g × v ÷ η で求められます。m は質量[kg]、g は重力加速度[m/s の2乗]、v は巻上げ速度[m/s]、η は機械効率です。分子の m × g × v は、重力に逆らって物体を持ち上げるために必要な仕事率(有効な動力)で、これを機械効率で割ると、歯車やロープでの損失分を補った電動機の出力になります。 【値を代入する】  m = 1200 [kg]
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 g = 9.8 [m/s の2乗]  v = 0.3 [m/s]  η = 0.98 まず有効な動力を求めます。  m × g = 1200 × 9.8       = 11760 [N] これが物体に働く重力の大きさ、すなわち必要な引張力です。  m × g × v = 11760 × 0.3          = 3528 [W] これを機械効率で割ります。  P = 3528 ÷ 0.98    = 3600 [W]    = 3.6 [kW] よって (3) が正答です。 【検算】  3600 × 0.98 = 3528 [W] 有効な動力に戻ります。 【間違えやすい点】 一つ目は、効率を掛けてしまうことです。  3528 × 0.98 = 3457 [W] = 3.46 [kW] この値は選択肢(1)の3.4 に近く、引っかかりやすくなっています。電動機の出力から損失を差し引いたものが有効な動力ですから、電動機の出力を求めるときは効率で「割る」のが正しい向きです。二つ目は、重力加速度を掛け忘れることです。質量に重力加速度を掛けて初めて力(ニュートン)になります。三つ目は、加速に要する動力を考えてしまうことですが、本問では一定速度であり、かつ考慮しないと断られています。 【関連して押さえたい式】 巻上機の問題では、次の形もよく使われます。  P = W × V ÷ (60 × η) [kW] ここでW は巻き上げる荷重[kN]、V は巻上げ速度[m/min]です。本問の値で確かめると  W = 11.76 [kN]、V = 0.3 × 60 = 18 [m/min]  P = 11.76 × 18 ÷ (60 × 0.98) = 3.6 [kW] 同じ答えになります。単位の組み方が違うだけです。

出典:令和6年度上期第三種電気主任技術者 機械科目 問11(一般財団法人 電気技術者試験センター 公表)出典元ページ

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