気体の性質に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第3問
気体の性質に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)二酸化炭素は、人体の代謝作用や物質の燃焼によって発生する無色・無臭の気体で、人の呼吸の維持に微量必要なものである。
- (2)窒素は、無色・無臭で、常温・常圧では化学的に安定した不活性の気体であるが、高圧下では麻酔作用がある。
- (3)酸素は、無色・無臭の気体であり、可燃性ガスに分類される。
- (4)ヘリウムは、無色・無臭で、化学的に非常に安定した、極めて軽い気体である。
- (5)一酸化炭素は、無色・無臭の有毒な気体で、物質の不完全燃焼などによって発生する。
正答 (3)
正答は (3)。これが誤りです。
酸素は可燃性ガスではなく、支燃性(助燃性)ガスに分類されます。
可燃性とは、自分自身が燃える性質のことです。酸素は自分では燃えません。他の物質が燃えるのを助ける働きをします。ろうそくを酸素の中に入れると激しく燃えますが、燃えているのはろうであって酸素ではありません。
この違いは安全管理上も重要です。酸素は「燃えないから安全」ではなく、「まわりのものを激しく燃やすから危険」なのです。再圧室に危険物を持ち込ませないのも同じ理由です(高気圧則第46条)。
(1)(2)(4)(5)はいずれも正しい記述です。
潜水で扱う気体の性質
酸素 無色・無臭。生命維持に不可欠だが、濃度が高ければ良いわけではない。
高分圧では酸素中毒を起こす。
分類は「支燃性(助燃性)」であって可燃性ではない。
自分は燃えず、他のものが燃えるのを助ける
窒素 無色・無臭。常温・常圧では化学的に安定した不活性ガス。
ただし高圧下では麻酔作用があり、窒素酔いを起こす
二酸化炭素 無色・無臭。空気中には約0.03〜0.04%。
「約0.3%」は一桁多い
一酸化炭素 無色・無臭の有毒ガス。不完全燃焼で生じる。
無臭なので気づけないことが最大の危険。
ヘモグロビンと強く結合して酸素の運搬を妨げる
ヘリウム 無色・無臭。密度が極めて「小さい」。
化学的に安定で麻酔作用がほとんどなく、呼吸抵抗も少ないため
深海潜水で窒素の代わりに使われる
空気の組成 窒素 約78%、酸素 約21%、二酸化炭素その他 約1%
【法則】
ヘンリーの法則 溶解度の小さい気体が一定量の液体に溶けるとき、
温度が一定なら溶ける質量はその気体の分圧に比例する
拡散 異種の気体が薄い透過膜を隔てて接すると、
分圧が平衡になるまで拡散浸透が進む
出典:潜水業務で扱う気体の一般的性質
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

