水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第5問
水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)澄んだ水中で面マスクを通して近距離にある物体を見た場合、通常、実際よりも3分の4倍大きく、また、実際に比べ4分の3の距離のところにあるように見える。
- (2)濁った水中で面マスクを通して物体を見た場合、実際より小さく、また、遠くにあるように感じられることがある。
- (3)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
- (4)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
- (5)水中での音の伝播速度は、毎秒約330mである。ぱ
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
水中での音の伝播速度は毎秒約1,400〜1,500mです。毎秒約330mは空気中の音速で、水中の値ではありません。
水は空気よりはるかに密度が高く、分子どうしが密に接しているため、振動が速く伝わります。空気中の4倍以上の速さです。
この速さが(4)の両耳効果の話につながります。人が音の方向を知るのは、左右の耳に音が届く時間差を使っているからです。ところが水中では音が4倍以上速く伝わるので、この時間差が4分の1以下になってしまいます。差が小さすぎて聞き分けられず、方向が分からなくなるわけです。
(1)の「4分の3倍の距離」「3分の4倍の大きさ」は、水の屈折率1.33(=4/3)から来る数値です。物が近く、大きく見えます。
水中の光と音の要点
【光】
屈折 水の屈折率は約1.33。水中から空気へ出る光は法線から遠ざかる向きに
曲がる(屈折角 > 入射角)。図で逆向きに描かれていたら誤り
見え方 澄んだ水中でマスク越しに近くの物を見ると
大きさ … 実際の 4/3 倍に見える
距離 … 実際の 3/4 の位置、つまり近くに見える
濁った水中では逆に、小さく・遠く感じられることがある
色の吸収 波長の長い赤色から先に吸収される。青色は残りやすい。
水中が青く見えるのはこのため
視認性 濁った水中ではオレンジ色や黄色で蛍光性のものが見えやすい
【音】
速さ 水中では毎秒約1,400〜1,500m。空気中の約330mの4倍以上
距離 水は空気より密度が大きく、音は遠くまで伝わる
方向探知 両耳効果が減少し、音源の方向が分かりにくくなる。
音が速く伝わるぶん、左右の耳に届く時間差が小さくなるため
出典:水中における光と音の物理的性質
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

