潜水業務における潮流による危険性などに関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第7問
潜水業務における潮流による危険性などに関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)潮流の速い水域での潜水作業は、減圧症が発生する危険性が高い。
- (2)大潮は、潮の干満の差が大きい状態で、満月の前後数日間をいい、小潮は、潮の干満の差が小さい状態で、新月の前後数日間をいう。
- (3)潮流は、開放的な海域では弱いが、湾口、水道、海峡などの狭く、複雑な海岸線をもつ海域では強くなる。
- (4)上げ潮と下げ潮との間に生じる潮止まりを憩流といい、潜水作業はこの時間帯に行うようにする。
- (5)潮流の速い水域でスクーバ式潜水により潜水作業を行うときは、命綱を使用する。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。
大潮は、新月と満月の「両方」の前後数日間です。満月だけではありません。
潮の満ち引きは月と太陽の引力で起きます。新月のときは太陽・月・地球が一直線に並び、満月のときも並びます。どちらも引力が重なって強く働くため、干満の差が大きくなります。これが大潮です。
逆に上弦・下弦の半月のときは、太陽と月が直角の方向にあり、引力が打ち消し合って干満の差が小さくなります。これが小潮です。
「新月=小潮」としている選択肢は、この仕組みを知っていれば弾けます。
(1)(3)(4)(5)はいずれも正しい記述です。
(1) 潮流に逆らって作業すると体力を消耗し、呼吸量も増えて減圧症の危険が高まります
(4) 憩流は潮の流れが止まる時間帯で、作業に適しています
潮流の要点
潮流と海流の違い
潮流 潮の干満によって生じる、向きが周期的に変わる流れ
海流 ほぼ一定方向に恒常的に流れるもの。黒潮・親潮など
→ 「恒常的に流れる」と書かれていたら海流の説明。潮流ではない
大潮と小潮
大潮 干満の差が大きい。新月と満月の前後数日(両方)
小潮 干満の差が小さい。上弦・下弦の半月の前後数日
→ 「大潮は満月の前後、小潮は新月の前後」は誤り。
新月も大潮です
流れの強さ 開放的な海域では弱く、湾口・水道・海峡など
狭く複雑な海岸線をもつ海域で強くなる
憩流 上げ潮と下げ潮の間の潮止まり。作業はこの時間帯に行う
受ける抵抗 ヘルメット式 > 全面マスク式 > スクーバ式
装備が大きいほど流れを受ける
減圧症 潮流の速い水域では体力を消耗し、減圧症の危険が高まる
命綱 潮流の速い水域でのスクーバ式潜水では命綱を使用する
出典:潮汐と潮流の一般的な性質
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

