潜水業務に用いるコンプレッサーに関し、誤っているものは次のうちどれか。…
送気、潜降及び浮上 第11問
潜水業務に用いるコンプレッサーに関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)コンプレッサーには、固定式と移動式があるが、固定式は潜水作業船に設置される場合が多い。
- (2)コンプレッサーは、原動機で駆動され、ピストンを往復させてシリンダー内の空気を圧縮する構造となっている。
- (3)ストレーナーは、コンプレッサーに吸入される外気をろ過し、ゴミなどの侵入を防ぐための装置である。
- (4)大出力化した原動機(主機)を備える潜水作業船は、コンプレッサー専用の原動機(補機)を設置して駆動するものが多い。
- (5)コンプレッサーの圧縮効率は、圧力の上昇に伴い増加する。
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
コンプレッサーの圧縮効率は、圧力の上昇に伴って低下します。増加しません。
圧縮効率が下がる理由は、往復式(レシプロ)圧縮機の構造にあります。
ピストンが上死点まで来ても、シリンダー頂部にはわずかな隙間(すきま容積)が残ります。ここに 高圧の空気が残ったまま吸入行程に移ると、その空気がまず膨張してしまい、その分だけ新しい外気を吸い込めません。吐出圧が高いほど残留空気の膨張量は大きくなるので、実際に押し出せる空気の割合は減っていきます。
加えて、圧力が高いほど圧縮による温度上昇が大きくなり、弁やピストンリングからの漏れも増えます。これらも効率を下げる方向に働きます。
「高い圧力をかけるほど効率よく空気を送れる」というのは直感に反しないようでいて、実際は逆です。ここが繰り返し問われています。
(1)〜(4)はいずれも正しい記述です。(3)のストレーナーは吸入口のフィルターで、ゴミが入るとシリンダーやバルブを傷めるほか、潜水者が吸う空気の質にも直結します。
潜水業務用コンプレッサーの要点
構造 原動機で駆動し、ピストンを往復させてシリンダー内の空気を圧縮する
固定式 潜水作業船に設置される場合が多い。空気取入口は機関室の外に置く
(機関室内では排気ガスを吸い込むおそれがあるため)
移動式 コンプレッサー・空気槽・原動機を組み合わせた一体型。
重量100kg程度で小型・軽量 …「分離式」は誤り
補機 大出力の主機を備える潜水作業船では、コンプレッサー専用の
原動機(補機)を設置して駆動するものが多い
ストレーナー 吸入する外気をろ過し、ゴミの侵入を防ぐ
予備空気槽 故障などの事故に備えて空気を蓄えておく
圧縮効率 圧力の上昇に伴って低下する …「増加する」は誤り
高圧コンプレッサー スクーバのボンベ充塡用。最高充塡圧力は一般に約20MPa、
約30MPaの機種もある
出典:潜水業務に用いる送気設備の一般的な構造と特性
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

