ヘルメット式潜水における浮上の方法(緊急時の措置を含む。)に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
送気、潜降及び浮上 第15問
ヘルメット式潜水における浮上の方法(緊急時の措置を含む。)に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)浮上の際には、さがり綱(潜降索)は使用しないようにする。
- (2)緊急浮上の場合以外は、毎分10mを超えない速度で浮上する。
- (3)無減圧潜水の範囲内の潜水の場合でも、緊急浮上の場合以外は、水深3m前後で安全のため、5分ほど浮上停止を行うようにする。
- (4)緊急浮上を要する場合は、所定の浮上停止を省略し、又は所定の浮上停止時間を短縮し、水面まで浮上する。
- (5)吹き上げにより急速に浮上した場合には、無減圧潜水の範囲内の潜水であっても、直ちに再圧処置を行うようにする。
正答 (1)
正答は (1)。これが誤りです。
さがり綱(潜降索)は浮上のときにも使います。使わないのではなく、むしろ浮上時にこそ必要です。
「潜水業務従事者が潜降し、及び浮上するためのさがり綱を備え、これを潜水業務従事者に使用させなければならない」(高気圧則第33条第1項)
浮上では、速度を一定に保つこと、決められた深度で停止を保持すること、潮流に流されないことが重要です。さがり綱はそのすべてを支えます。3mごとに水深を表示する木札や布を取り付けるのも(同条第2項)、浮上停止の深度を水中で読み取るためです。
(2)〜(5)はいずれも適切な記述です。
(2) 浮上速度を抑えるのは、体内の不活性ガスが気泡化するのを防ぐためです
(3) 無減圧潜水の範囲内でも、水深3m前後での安全停止は広く推奨されています
(4) 緊急時は減圧症のリスクより即座の危険の回避を優先します
(5) 急速浮上の後は、症状が出ていなくても再圧処置を行います。減圧症は時間差で発症することがあり、待ってから対応すると手遅れになります
さがり綱(潜降索)は浮上にも使う
「事業者は、潜水業務を行うときは、潜水業務従事者が潜降し、及び浮上するための
さがり綱を備え、これを潜水業務従事者に使用させなければならない」
(高気圧則第33条第1項)
条文が「潜降し、及び浮上するための」と書いているとおり、さがり綱は
往路だけの道具ではありません。浮上速度を一定に保つ、浮上停止の深度を
保持する、潮流に流されないようにする、といった役割があり、
むしろ浮上時にこそ必要です。3mごとに水深表示が付いているのも
(同条第2項)、浮上停止の深度を読むためです。
出典:高気圧作業安全衛生規則 第33条
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

