人体に及ぼす水温の作用及び体温に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第24問
人体に及ぼす水温の作用及び体温に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)体温は、代謝によって生じる産熱と、人体と外部環境の温度差に基づく放熱のバランスによって一定に保たれる。
- (2)水の熱伝導率は空気の約10倍あるので、水中では、体温が奪われやすい。
- (3)一般に、体温が35℃以下の状態を低体温症という。
- (4)体温が低下し始めると筋肉の緊張の増強、酸素摂取量の増加などの症状が現れる。
- (5)水中で体温が低下すると、震え、意識の混濁や消失などを起こし、死に至ることもある。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。数字が違います。
水の熱伝導率は空気の約10倍ではなく、約25倍です。
この25倍という値が、潜水における低体温症の危険をそのまま表しています。同じ気温20℃の空気の中なら平気でも、水温20℃の水中では25倍の速さで熱が奪われていきます。ウエットスーツやドライスーツが必須になるのはこのためです。
(4)について補足します。体温が下がり始めると、体は熱を作ろうとして筋肉を震わせます。これが「筋肉の緊張の増強」であり、その活動のために酸素の消費も増えます。体が抵抗している段階なので、活動は低下ではなく亢進します。
(1)(3)(5)も正しい記述です。
水温と体温の要点
熱伝導率 水は空気の約25倍。10倍でも1,000倍でもない。
水中で体温が急速に奪われるのはこのため
体温の保持 代謝による産熱と、外部との温度差による放熱の釣り合いで保たれる
低体温症 一般に深部体温が35℃以下の状態。30℃以下ではない
初期の症状 筋肉の緊張の「増強」(震え)、酸素摂取量の「増加」
→ 体が熱を作ろうとして活動が高まる。弛緩・減少は誤り
進行すると 震え、意識の混濁・消失、死に至ることもある
処置
してよいこと 濡れた衣服を脱がせ、乾いた毛布や衣服で覆う
してはいけないこと
・重度の低体温症で温かいシャワーや風呂に入れること
・アルコールを摂取させること
出典:低体温症に関する一般的な医学的知見
潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

