潜水業務における二酸化炭素中毒又は酸素中毒に関し、正しいものは次のうちどれか。…

高気圧障害 第27問

潜水業務における二酸化炭素中毒又は酸素中毒に関し、正しいものは次のうちどれか。

正答 (5)
正答は (5)。これが正しい記述です。 大深度潜水では、酸素中毒を防ぐために、深度に応じて酸素濃度を低くした混合ガスを使います。 分圧は「濃度 × 絶対圧力」で決まります。水深が深くなれば絶対圧力が上がるので、濃度がそのままなら酸素分圧はどんどん高くなります。たとえば酸素21%の空気でも、水深60m(7気圧)では0.21 × 700kPa = 147kPa となり、脳酸素中毒の領域に入ります。 そこで深く潜るほど酸素の濃度を下げ、分圧が危険な値に届かないよう調整します。「深いところでは酸素を濃くする」のは逆で、酸素は薄くするのが正解です。 他の選択肢の誤りは次のとおりです。 (1) ヘモグロビンと強く結合するのは一酸化炭素です。二酸化炭素ではありません (2) スクーバ式でも二酸化炭素中毒は起こります。空気を節約しようとするスキップ呼吸や、器材の死腔が原因になります (3) 二酸化炭素が多いと酸素中毒は起こりやすくなります (4) 脳と肺の条件が入れ替わっています 酸素中毒と二酸化炭素中毒 【酸素中毒】一般に50kPaを超える酸素分圧にばく露されると起こる 脳酸素中毒 高い酸素分圧(140〜160kPa程度)を「短時間」吸って発症 症状は吐き気、めまい、痙攣発作。 潜水中に痙攣を起こせば溺れるため、多くの場合致命的 肺酸素中毒 低めの酸素分圧(50kPa程度)を「長時間」吸って発症 肺機能が低下し肺活量が減る。通常は致命的にならない → 脳と肺で「分圧の高さ」と「時間の長さ」が逆。ここが毎回問われる 激しい症状の脳が「高分圧・短時間」、じわじわ効く肺が「低分圧・長時間」 予防 大深度潜水では、深度に応じて酸素濃度を「低くした」混合ガスを使う。 深いほど分圧が上がるため、濃度を下げて相殺する 【二酸化炭素中毒】 機序 換気が不足して体内に二酸化炭素がたまることで起こる。 ヘモグロビンと強く結合するのは一酸化炭素であって二酸化炭素ではない 発生 スクーバ式でも起こる。スキップ呼吸や器材の死腔が原因になる。 「スクーバでは生じない」は誤り 【両者の関係】 二酸化炭素が多いと酸素中毒は「起こりやすく」なる。 二酸化炭素には脳の血管を広げる作用があり、脳へ送られる酸素が増えるため。 「起こりにくい」は誤り 出典:酸素中毒・二酸化炭素中毒に関する一般的な医学的知見

潜水士 2023年上半期実施分(2023年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

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