20℃、1Lの水に接している0.2MPa(ゲージ圧力)の空気がある。これを0.1MPa(絶対圧力)まで減圧し、水中の窒素…
潜水業務 第4問
20℃、1Lの水に接している0.2MPa(ゲージ圧力)の空気がある。これを0.1MPa(絶対圧力)まで減圧し、水中の窒素が空気中に放出されるための十分な時間が経過したとき、窒素の放出量(0.1MPa(絶対圧力)時の体積)に最も近いものは次のうちどれか。ただし、空気中に含まれる窒素の割合は80%とし、0.1MPa(絶対圧力)の窒素100%の気体に接している20℃の水1Lには17cm3の窒素が溶解するものとする。
- (1)14cm3
- (2)17cm3
- (3)22cm3
- (4)27cm3
- (5)34cm3
正答 (4)
正答は (4)。約27cm³です。
減圧の前後で溶けている量を計算し、その差を求めます。
【減圧前】
絶対圧力 = 0.2 + 0.1 = 0.3MPa
窒素の分圧 = 0.3 × 0.8 = 0.24MPa
溶解量 = 17cm³ × (0.24 ÷ 0.1)= 17 × 2.4 = 40.8cm³
【減圧後】
絶対圧力 = 0.1MPa
窒素の分圧 = 0.1 × 0.8 = 0.08MPa
溶解量 = 17cm³ × (0.08 ÷ 0.1)= 17 × 0.8 = 13.6cm³
【放出量】
40.8 - 13.6 = 27.2cm³ ≒ 27cm³
減圧後も窒素が完全に抜けるわけではない、という点が急所です。0.1MPaの空気にも窒素は80%含まれているので、それに見合う量は溶け続けます。ここを0としてしまうと40.8cm³となり、答えが合いません。
これは減圧症の仕組みそのものでもあります。浮上によって溶けきれなくなった分が体内で気泡になる、その「溢れる量」を計算しているわけです。
ヘンリーの法則の2つの表し方
質量で見ると 溶ける気体の「質量」は、その気体の分圧に比例する
体積で見ると 溶ける気体の「体積」は、圧力にかかわらず一定
(その圧力のもとで測った体積として)
一見矛盾しますが、同じことを別の見方で言っています。
圧力を2倍にすると質量は2倍溶けますが、その気体自体も
2倍に圧縮されているので、体積で測ると変わらないのです。
計算では質量(または基準圧力での体積)に直して、分圧に比例させます。
出典:ヘンリーの法則による計算
潜水士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

