水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第5問
水中における光や音に関し、誤っているものは次のうちどれか。

- (1)水中では、音に対する両耳効果が減少し、音源の方向探知が困難になる。
- (2)水は空気に比べ密度が大きいので、水中では音は空気中に比べ遠くまで伝播する。ぱ
- (3)水分子による光の吸収の度合いは、光の波長によって異なり、波長の長い赤色は、波長の短い青色より吸収されやすい。
- (4)濁った水中では、オレンジ色や黄色で蛍光性のものが視認しやすい。
- (5)光は、水と空気の境界では下の図のように屈折し、顔マスクを通して水中の物体を見た場合、実際よりも大きく見える。
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。図の屈折の向きが逆になっています。
「実際よりも大きく見える」という部分は正しいのですが、図に描かれた光の曲がり方が誤りです。
水から空気へ光が出るとき、屈折角は入射角より大きくなります。つまり境界面に垂直な線(法線)から遠ざかる向きに曲がります。水の屈折率が約1.33、空気が約1.00で、屈折率の大きい媒質から小さい媒質へ進むときは法線から離れる、という関係です。
図では、水中から出た光が法線に近づく向き(より垂直に近い向き)に描かれており、実際とは逆です。
なお大きさの話は、この屈折の結果です。水中の物からの光が目に届くまでに曲がるため、脳は物体が実際より近く(3/4の距離)にあると判断し、その結果として大きく(4/3倍)見えます。
(1)〜(4)はいずれも正しい記述です。
水中の光と音の要点
【光】
屈折 水の屈折率は約1.33。水中から空気へ出る光は法線から遠ざかる向きに
曲がる(屈折角 > 入射角)。図で逆向きに描かれていたら誤り
見え方 澄んだ水中でマスク越しに近くの物を見ると
大きさ … 実際の 4/3 倍に見える
距離 … 実際の 3/4 の位置、つまり近くに見える
濁った水中では逆に、小さく・遠く感じられることがある
色の吸収 波長の長い赤色から先に吸収される。青色は残りやすい。
水中が青く見えるのはこのため
視認性 濁った水中ではオレンジ色や黄色で蛍光性のものが見えやすい
【音】
速さ 水中では毎秒約1,400〜1,500m。空気中の約330mの4倍以上
距離 水は空気より密度が大きく、音は遠くまで伝わる
方向探知 両耳効果が減少し、音源の方向が分かりにくくなる。
音が速く伝わるぶん、左右の耳に届く時間差が小さくなるため
出典:水中における光と音の物理的性質
潜水士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

