送気式潜水に使用する設備又は器具に関し、正しいものは次のうちどれか。…
送気、潜降及び浮上 第13問
送気式潜水に使用する設備又は器具に関し、正しいものは次のうちどれか。
- (1)全面マスク式潜水では、通常、送気ホースは、呼び径が13mmのものが使われている。
- (2)ヘルメット式潜水では、呼気がヘルメット内に吐き出されるため、ヘルメット内の二酸化炭素濃度が有毒なレベルに達しないよう、できるだけ高い圧力で送気する。
- (3)流量計には、特定の送気圧力による流量が目盛られており、その圧力以外で送気する場合は換算が必要である。
- (4)フェルトを使用した空気清浄装置は、潜水者に送る圧縮空気に含まれる水分と油分のほか、二酸化炭素と一酸化炭素を除去する。
- (5)終業後、調節用空気槽は、内部に0.1MPa(ゲージ圧力)程度の空気を残すようにしておく。
正答 (3)
正答は (3)。これが正しい記述です。
流量計には、特定の送気圧力における流量が目盛られています。その圧力と違う条件で送気する場合は、読んだ値をそのまま使えず換算が必要です。
気体は圧力によって体積が変わるためです。同じ「毎分○リットル」でも、どの圧力のもとでの体積かによって、実際に送られる空気の量は変わります。法令が「その水深の圧力下における送気量」とわざわざ書いているのも同じ理由です(高気圧則第28条)。
他の選択肢の誤りは次のとおりです。
(1) 全面マスク式の送気ホースは呼び径8mmです。13mmはヘルメット式
(2) 二酸化炭素を薄めるために圧力を上げるのではありません。必要なのは十分な送気量(換気量)であって、圧力を高めることではありません
(4) フェルト式の清浄装置は二酸化炭素・一酸化炭素を除去できません
(5) 終業後の調節用空気槽はドレーンを排出して空にします
フェルトを使った空気清浄装置が除けるのは、水分と油分までです。二酸化炭素や一酸化炭素は取り除けません。
フェルトはろ紙のような繊維の層で、粒子や液滴を絡め取る仕組みです。水滴や油のミストは捕まえられますが、二酸化炭素や一酸化炭素は空気と同じように振る舞う気体分子なので、素通りしてしまいます。
だからこそ、一酸化炭素は入口で防ぐしかありません。コンプレッサーの空気取入口を機関室の外に置くのは、排気ガスを吸い込ませないためです。入ってしまえば除去する手段がない、という関係を押さえておくと、両方の論点がつながります。
送気式潜水の設備・器具の要点
空気清浄装置 フェルト式は水分と油分を除去する。
二酸化炭素と一酸化炭素は除去できない …ここが毎回問われる
空気取入口 機関室の外に置く。中は主機の排気ガスを吸うおそれがある
流量計 調節用空気槽より後ろ、潜水者へ送る側に付ける。
特定の送気圧力での流量が目盛られているので、
別の圧力で送るときは換算が必要
送気ホース 呼び径は 全面マスク式が8mm、ヘルメット式が13mm。
比重により沈用・半浮用・浮用の3種類がある
予備空気槽 最高潜水深度の圧力の1.5倍以上(高気圧則第8条)
始業前 空気槽のドレーンコックを開けて凝結水・機械油を放出し、
逆止弁・安全弁・ストップバルブの空気漏れを点検
終業後 調節用空気槽はドレーンを排出して空にする。
「0.1MPa程度の空気を残す」は誤り
(空気を残すのはスクーバのボンベのほうで、こちらは約1MPa)
出典:送気式潜水の設備の一般的な取扱い
潜水士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

