潜水作業者の健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第30問
潜水作業者の健康管理に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)潜水作業者に対する健康診断では、圧力の作用を大きく受ける四肢の運動機能、聴力などの検査のほか、必要な場合は、作業条件調査などを行う。
- (2)潜水作業者に対する健康診断において行われる関節部のエックス線直接撮影による検査は、骨壊死のチェックのためで、通常、股関節、肩関節、膝関え節など侵されやすい部位が対象となる。
- (3)前日の飲酒により体内にアルコールが残った状態で潜水すると、減圧症や低体温症の発症リスクが高くなる。
- (4)再圧治療は、減圧症を発症したときに行うものであり、空気塞栓症を発症したときには、行ってはならない。
- (5)減圧症の再圧治療が終了した後しばらくは、体内にまだ余分な窒素が残っているので、そのまま再び潜水すると減圧症を再発するおそれがある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
空気塞栓症にも再圧治療を行います。減圧症のときだけではありません。
どちらも体内の気泡が血管を詰まらせる障害なので、再圧して気泡を小さくするという対処が共通します。空気塞栓症は脳の血管が詰まって意識障害や痙攣を起こすため、むしろ緊急に再圧が必要です。
(2)の関節部のエックス線検査についても押さえておいてください。骨壊死を調べるためのもので、股関節・肩関節・膝関節といった侵されやすい部位が対象です。骨壊死は自覚症状が出にくいため、画像で確認する必要があります。
(3)の飲酒の影響も重要です。アルコールは脱水を招き、血流を悪くして窒素の排出を妨げます。また血管を広げて熱の放散を増やすため、低体温症のリスクも高まります。
就業が禁止される疾病(高気圧則第41条)
次のいずれかにかかっている労働者は、医師が必要と認める期間、
高気圧業務への就業が禁止されます。
1. 減圧症その他高気圧による障害又はその後遺症
2. 肺結核その他呼吸器の結核、急性上気道感染、じん肺、肺気腫
その他呼吸器系の疾病
3. 貧血症、心臓弁膜症、冠状動脈硬化症、高血圧症
その他血液又は循環器系の疾病
4. 精神神経症、アルコール中毒、神経痛その他精神神経系の疾病
5. メニエル氏病又は中耳炎その他耳管狭さくを伴う耳の疾病
6. 関節炎、リウマチスその他運動器の疾病
7. ぜんそく、肥満症、バセドー氏病その他アレルギー性、内分泌系、
物質代謝又は栄養の疾病
並んでいるのは、圧力の変化で悪化するか、水中で意識・平衡を失わせるか、
気泡の発生・排出に関わる系統です。目の疾病は挙げられていません
出典:再圧治療に関する一般的な知見、高気圧作業安全衛生規則 第41条
潜水士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

