気体の性質などに関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第3問
気体の性質などに関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)窒素は、常温では化学的に安定した不活性の気体である。
- (2)酸素は無色・無臭の気体であり、可燃性ガスに分類される。
- (3)異種の気体が薄い透過膜を境として接するときは、双方が平衡となるまで過剰な分圧の気体の拡散浸透が行われる。
- (4)溶解度の小さい気体が、一定量の液体に溶ける場合、温度が一定であれば、気体が溶解する質量は、その気体の分圧に比例する。
- (5)空気は、窒素が約78%、酸素が約21%、二酸化炭素その他が約1%で構成されている。
正答 (2)
正答は (2)。これが誤りです。
酸素は可燃性ガスではなく支燃性(助燃性)ガスです。自分は燃えず、他のものが燃えるのを助けます。
(3)(4)は気体の基本法則で、いずれも正しい記述です。
(3) 分圧の差があれば、平衡になるまで拡散が進みます。肺から血液へ、血液から組織へと不活性ガスが移動するのもこの原理です
(4) ヘンリーの法則です。分圧が2倍になれば溶ける量も2倍になります。深く潜るほど体内に窒素が多く溶け込むのは、この法則によります
この2つは減圧症を理解する土台になります。潜れば分圧が上がって窒素が溶け込み(ヘンリーの法則)、浮上すれば分圧が下がって溶けきれなくなった窒素が気泡になる、という筋道です。
潜水で扱う気体の性質
酸素 無色・無臭。生命維持に不可欠だが、濃度が高ければ良いわけではない。
高分圧では酸素中毒を起こす。
分類は「支燃性(助燃性)」であって可燃性ではない。
自分は燃えず、他のものが燃えるのを助ける
窒素 無色・無臭。常温・常圧では化学的に安定した不活性ガス。
ただし高圧下では麻酔作用があり、窒素酔いを起こす
二酸化炭素 無色・無臭。空気中には約0.03〜0.04%。
「約0.3%」は一桁多い
一酸化炭素 無色・無臭の有毒ガス。不完全燃焼で生じる。
無臭なので気づけないことが最大の危険。
ヘモグロビンと強く結合して酸素の運搬を妨げる
ヘリウム 無色・無臭。密度が極めて「小さい」。
化学的に安定で麻酔作用がほとんどなく、呼吸抵抗も少ないため
深海潜水で窒素の代わりに使われる
空気の組成 窒素 約78%、酸素 約21%、二酸化炭素その他 約1%
【法則】
ヘンリーの法則 溶解度の小さい気体が一定量の液体に溶けるとき、
温度が一定なら溶ける質量はその気体の分圧に比例する
拡散 異種の気体が薄い透過膜を隔てて接すると、
分圧が平衡になるまで拡散浸透が進む
出典:潜水業務で扱う気体の一般的性質
潜水士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

