水中拘束に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第9問
水中拘束に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)水中拘束を予防するため、潜水を行う水域の状況を事前に調べて、潜水作業の手順を検討する。
- (2)水中拘束を予防するため、送気式潜水では、障害物付近を通過するときは、周囲を回ったり、下をくぐり抜けたりせずに、その上を越えていくようにする。
- (3)ダムの取水口付近では、足が取水口に吸い込まれ、動けなくなって水中拘束になることがある。
- (4)スクーバ式潜水で、装備を放棄して水中拘束から脱出した場合、息を少しずつ吐きながら浮上するなどの注意が必要である。
- (5)水中拘束によって水中滞在時間が延長した場合であっても、当初の減圧時間をきちんと守って浮上する。
正答 (5)
正答は (5)。これが誤りです。
水中拘束で滞在時間が延びた場合は、減圧時間も延ばさなければなりません。当初の減圧時間をそのまま守るのは危険です。
減圧時間は、どれだけの深さにどれだけの時間いたかで決まります。予定より長く潜っていれば、それだけ体内に溶け込んだ不活性ガスが多くなっています。同じ時間で浮上すれば、抜け切らないガスが気泡になり、減圧症を起こします。
「予定を守る」ことが正しいように見えるのがこの設問の狙いです。守るべきは時間ではなく、体内のガスを抜き切ることです。
(1)〜(4)はいずれも正しい記述です。(4)の「息を少しずつ吐きながら浮上する」のは、肺の中の空気が膨張して肺が破れるのを防ぐためです。
水中拘束と溺れ
減圧 拘束で水中滞在時間が延びたら、減圧時間も延ばす。
「当初の減圧時間をきちんと守って浮上する」は誤り。
長く潜ったぶん体内の不活性ガスが増えているため
スクーバ ホースが無くても拘束される。沈船・洞窟・漁網・ロープなど
狭い場所 ガイドロープは使う。使わないと戻れなくなる
障害物 周囲を回ったり下をくぐったりせず、上を越える。
ホースや索が引っ掛かるのを防ぐため
送気ホース 切断防止のため、潜水作業船にクラッチ固定装置やスクリュー覆いを付ける
溺れ 水が気管に入っただけでも、喉頭のけいれんで呼吸が止まることがある。
肺まで入らなければ大丈夫、ではない
救命胴衣 ヘルメット式では着用しない。着底して作業する重装備の方式で、
浮上は送気で管理する。「方式にかかわらず必ず着用」は誤り
出典:潜水業務における事故の一般的な機序
潜水士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

