潜水によって生じる圧外傷に関し、正しいものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第25問
潜水によって生じる圧外傷に関し、正しいものは次のうちどれか。
- (1)圧外傷は、潜降又は浮上いずれのときでも生じ、潜降時のものをブロック、浮上時のものをスクィーズと呼ぶ。
- (2)潜降時の圧外傷は、潜降による圧力変化のために体腔くう内の空気の体積が増えることにより生じ、中耳腔くう、副鼻腔くう、面マスクの内部や潜水服と皮膚の間などで生じる。
- (3)浮上時の圧外傷は、浮上による圧力変化のために体腔くう内の空気の体積が減少することにより生じ、副鼻腔くう、肺などで生じる。
- (4)浮上時の肺圧外傷は、気胸や空気塞栓症を引き起こすことがある。
- (5)浮上時の肺圧外傷を防ぐためには、息を止めたまま浮上する。
正答 (4)
正答は (4)。これが正しい記述です。
浮上時の肺圧外傷は、気胸や空気塞栓症を引き起こすことがあります。
浮上すると肺の中の空気が膨張します。息を吐き続けていれば余分な空気は外へ出ますが、止めていると逃げ場がなく、肺胞が破れます。
破れた空気の行き先によって症状が分かれます。胸腔へ漏れれば気胸、毛細血管に入り込めば血流に乗って空気塞栓症です。後者は脳の血管を詰まらせ、浮上直後に意識障害や痙攣を起こします。
だからこそ(5)は正反対の誤りです。息を止めたまま浮上するのは最もやってはいけない行為です。
(1)(2)(3)の誤りは次のとおりです。
(1) 潜降時がスクィーズ、浮上時がブロックです
(2) 潜降時は体積が減ります
(3) 浮上時は体積が増えます
圧外傷の要点
潜降時(スクィーズ)
圧力が上がり、体腔内の空気の体積が「減る」→ 締め付けられる
起きる場所:中耳腔、副鼻腔、面マスクの内部、潜水服と皮膚の間
浮上時(ブロック)
圧力が下がり、体腔内の空気の体積が「増える」→ 膨らんで壊す
起きる場所:副鼻腔、肺、虫歯の空洞など
→ 名前も体積変化の向きも取り違えさせる出題が多い。
潜降=スクィーズ=圧縮、浮上=ブロック=膨張
耳栓 してはいけない。外耳道を塞ぐと圧平衡ができず、
かえって外耳道の圧外傷を招く
浅い場所 深さ2m程度でも圧外傷は起こる。むしろ浅いほうが危険
息止め 浮上時に息を止めるのは厳禁。肺が過膨張して破れる
浮上時の肺圧外傷は、気胸や空気塞栓症を引き起こすことがある
出典:潜水による圧外傷に関する一般的な医学的知見
潜水士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

