潜水による副鼻腔くうや耳の障害に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第26問
潜水による副鼻腔くうや耳の障害に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)潜降の途中で耳が痛くなるのは、外耳道と中耳腔くうとの間に圧力差が生じるためである。
- (2)中耳腔くうは、耳管によって咽頭と通じているが、この管は通常は閉じている。
- (3)耳の障害による症状には、耳の痛み、閉塞感、難聴、めまいなどがある。
- (4)前頭洞、上顎がく洞などの副鼻腔くうは、管によって鼻腔くうと通じており、耳抜きによってこの管を開いて圧力調整を行う。
- (5)副鼻腔くうの障害による症状には、額の周りや目・鼻の根部の痛み、鼻出血などがある。
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
耳抜きで開くのは「耳管」であって、副鼻腔と鼻腔を結ぶ管ではありません。
副鼻腔の管には、意識的に開く仕組みがありません。通常は自然に空気が出入りして圧が保たれますが、鼻の炎症などで管が塞がっていると、そこだけ圧が取り残されて障害が起きます。耳のように自分で対処する手段がないのが、副鼻腔の障害の厄介なところです。
だからこそ(4)の前半「管によって鼻腔と通じており」は正しく、後半の「耳抜きによってこの管を開いて」が誤りになります。選択肢の一部だけを差し替える作り方です。
風邪をひいているときに潜水を避けるよう言われるのは、鼻の炎症で耳管も副鼻腔の管も通りが悪くなるためです。
(1)(2)(3)(5)はいずれも正しい記述です。
耳と副鼻腔の障害
耳の構造 外耳道 ─ 鼓膜 ─ 中耳腔 ─ 内耳
中耳腔は耳管で咽頭とつながっている(通常は閉じている)
潜降時の痛み 外耳道と中耳腔との間に圧力差が生じて鼓膜が押されるため。
「内耳と中耳腔の間」ではない
耳抜き 耳管を開いて中耳腔へ空気を送り、鼓膜の内外の圧を合わせる操作
副鼻腔 前頭洞、上顎洞など。管で鼻腔と通じている。
ただし耳抜きで開くのは耳管であって、副鼻腔の管ではない。
鼻の炎症などでこの管が塞がった状態で潜水すると障害が起きる
症状 耳 痛み、閉塞感、難聴、鼓膜が破れればめまい
副鼻腔 額の周りや目・鼻の根部の痛み、鼻出血
出典:潜水による耳・副鼻腔の障害に関する一般的な医学的知見
潜水士 2024年下半期実施分(2025年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

