特殊な環境下における潜水に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
潜水業務 第10問
特殊な環境下における潜水に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)暗渠きょ内は潮流の影響などを受けにくいため、十分な照度を確保することにより、安全に潜水作業を行うことができる。
- (2)河川での潜水では、流れの速さに特に注意する必要があるので、命綱を使用したり、装着するウエイト重量を増やしたりする。
- (3)淡水よりも海水の方がわずかに浮力が大きいため、湖で行う潜水に比べて、海で行う潜水にはより多くのウエイトが必要となる。
- (4)冷水中での潜水で体温が低下すると、人体の運動機能が低下するとともに、減圧症にかかりやすくなる。
- (5)山岳部のダムなど高所域での潜水では、通常の海洋での潜水よりも長い減圧浮上時間が必要となる。
正答 (1)
正答は (1)。これが誤りです。
暗渠内は潮流の影響を受けにくいとしても、照度さえ確保すれば安全に作業できる環境ではありません。むしろ危険性の高い環境です。
閉鎖空間では退路が限られます。上に浮上すれば水面に出られる開けた場所と違い、暗渠内では天井があり、来た道を戻るしかありません。視界を失ったり、ホースが絡んだりすれば、そこから抜け出せなくなります。照明は必要条件ではあっても、十分条件ではありません。
(2)〜(5)はいずれも正しい記述です。
(3) 海水のほうが浮力が大きいので、海ではウエイトを多く必要とします
(4) 体温が下がると血流が悪くなり、不活性ガスの排出も滞るため、減圧症にかかりやすくなります
特殊な環境下の潜水
高所潜水 山岳部のダムなど。地上の気圧が低いぶん、浮上したときの
圧力の下がり方が海面より大きくなる。
したがって通常より「長い」減圧時間が必要。
「短くてよい」は誤り
淡水と海水 海水のほうが密度が大きく浮力も大きい。
海ではより多くのウエイトが必要
河川 流れが速いので、ウエイトは「増やす」。減らすのではない。
命綱も使用する
冷水 ドライスーツのほうがウエットスーツより体熱の損失が少ない。
体温が下がると運動機能が落ち、減圧症にもかかりやすくなる。
デマンドバルブが凍結することがあるため凍結防止対策が要る
汚染水域 スクーバ式は不適当。身体が露出するため。
全面マスク式やヘルメット式で身体を覆う
暗渠内 送気式潜水を行う。「行ってはならない」は誤り。
ただし閉鎖空間で潮流の影響がないから安全、ということもない。
退路が限られるため、むしろ危険性の高い環境
河口付近 降雨後は土砂が流れ込んで視界が悪化する。向上はしない
出典:特殊環境下の潜水に関する一般的な知見
潜水士 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

