減圧症に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
高気圧障害 第28問
減圧症に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)減圧症は、通常、浮上後24時間以上経過した後に発症するが、長時間の潜水や飽和潜水では24時間以内に発症することがある。
- (2)減圧症は、皮膚の痒みかゆ、関節の痛みなどを呈する比較的軽症の減圧症と、脳、肺などが冒される比較的重症の減圧症とがある。
- (3)規定の浮上速度や浮上停止時間を順守しても減圧症にかかることがある。
- (4)減圧症は、高齢者、最近外傷を受けた人、脱水症状の人などが罹患りしやすい。
- (5)作業量が多く、血流量の増える重筋作業の潜水では、減圧症に罹患りしやすくなる。
正答 (1)
正答は (1)。これが誤りです。
減圧症は、多くの場合、浮上後の比較的早い時期に発症します。「通常は24時間以上たってから」というのは逆です。
体内に溶けきれなくなった不活性ガスが気泡になるのは、圧力が下がった直後です。浮上中や浮上直後から始まり、多くは数時間以内に症状が現れます。
この時間感覚は実務上とても重要です。「まだ半日たっていないから減圧症ではない」と判断すれば、初期の症状を見逃します。浮上後に違和感があれば、まず減圧症を疑うのが正しい姿勢です。
(4)(5)のかかりやすい条件についても押さえておいてください。
・高齢者、最近外傷を受けた人、脱水症状の人
・作業量が多く血流量の増える重筋作業の潜水
重筋作業でかかりやすくなるのは、血流が増えるぶん体内に取り込まれる窒素の量も増えるからです。同じ深度・同じ時間でも、激しく動いた人のほうが多くの窒素を溜め込むことになります。
脱水も同様で、血液が濃くなって流れが悪くなると、窒素の排出が滞ります。潜水前の水分補給が勧められるのはこのためです。
減圧症の要点
発症の時期 多くは浮上後の比較的早い時期に起こる。
「通常は24時間以上たってから」は誤り
重症度 軽症 皮膚の痒み、大理石斑、関節の痛み(ベンズ)
重症 脳・脊髄・肺などが冒される
軽症でも治療は必要。放置してよいものではない
チョークス 血液中の気泡が肺の毛細血管を塞栓する重篤な肺減圧症
気泡の場所 血管の中だけでなく、血管外の組織にもできる。
「血管外に気泡はできない」は誤り
かかりやすい人・条件
高齢者、最近外傷を受けた人、脱水症状の人
作業量が多く血流量の増える重筋作業
規定を守っても 浮上速度や浮上停止時間を守っても発症することがある。
減圧表はあくまで確率を下げるためのもの
低圧ばく露 潜水後に航空機に乗る、高所へ移動するなどでも発症する
骨壊死 減圧症に罹患した潜水者に多くみられる慢性の障害
骨幹部に出たもの 大きな障害はみられない
骨端(骨頭)に出たもの 関節が壊れ、歩行障害などを訴える
出典:減圧症に関する一般的な医学的知見
潜水士 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

