全面マスク式潜水の装備に関し、誤っているものは次のうちどれか。…
送気、潜降及び浮上 第19問
全面マスク式潜水の装備に関し、誤っているものは次のうちどれか。
- (1)全面マスク式潜水器では、ヘルメット式潜水器に比べて少ない送気量で潜水することができる。
- (2)全面マスク式潜水器には、全面マスクにスクーバ用のセカンドステージレギュレーターを取り付ける簡易なタイプがある。
- (3)全面マスク式潜水では、小型のボンベを携行して潜水することがある。
- (4)全面マスク式潜水で使用する水中電話機用のイヤホンは、潜水中に外れることがないよう、外耳道にイヤーピースを差し込むものが一般的である。
- (5)混合ガス潜水に使われる全面マスク式潜水器には、バンドマスクタイプとヘルメットタイプが
正答 (4)
正答は (4)。これが誤りです。
イヤホンで外耳道を塞ぐ方式は、潜水では使えません。
イヤホンで外耳道を塞いではいけない理由は、耳の圧平衡にあります。
潜降すると周囲の水圧が上がります。中耳は耳管を通して鼻から空気を送り込めば(耳抜き)圧を合わせられますが、鼓膜の外側の外耳道は水が入ることで圧が伝わる仕組みです。ここをイヤーピースで密閉すると、外耳道だけが低い圧のまま取り残されます。
すると鼓膜が外向きに引っ張られ、外耳道の皮膚がうっ血して出血したり、鼓膜が損傷したりします。これが外耳道の圧外傷です。
このため潜水用の通話装置では、耳を塞がない方式が用いられます。
(3)について補足します。全面マスク式は送気式ですが、送気が絶たれたときに備えて小型のボンベを携行することがあります。送気式だからボンベを持たない、と決めつけないでください。
(1)(2)(5)も正しい記述です。
全面マスク式潜水の要点
構造 顔面全体を覆うマスクと、デマンド式潜水器を組み合わせたもの。
マスク内に口鼻マスクがあり、そこから給気を受ける。
送気量 ヘルメット式より少なくて済む。
デマンド式は呼吸に合わせて必要な分だけ供給するため。
法令でも、圧力調整器を使う方式は毎分40L以上、
使わないヘルメット式は毎分60L以上と差がある(高気圧則第28条)。
種類 混合ガス潜水用にはバンドマスクタイプとヘルメットタイプがある。
全面マスクにスクーバ用のセカンドステージレギュレーターを
取り付ける簡易なタイプもある。
ボンベ 送気式だが、非常用に小型のボンベを携行することがある。
足ヒレ 使ってよい。禁止されていない。
スーツ ウエットスーツもドライスーツも使う。水温や作業内容で選ぶ。
イヤホン 外耳道に差し込むタイプは使わない。耳を塞ぐと圧平衡ができず、
外耳道の圧外傷を起こすため。
出典:潜水器の一般的な構造と特性
潜水士 2025年下半期実施分(2026年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)

