ヘリコプタにおける低速前進飛行から巡航飛行へ移行する際の釣り合いと操縦についての記述(a)~(d)のうち、正しいものはい…
航空工学(回転翼) 第9問
ヘリコプタにおける低速前進飛行から巡航飛行へ移行する際の釣り合いと操縦についての記述(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。ただし、ロータの回転は上から見て反時計回りとする。(a)ロータ回転面の傾きによって得られた推力の前向き成分により、機体は増速していくが揚力の左右不均衡によりロータ回転面は後傾する。この後傾量に対応するだけサイクリック・スティックを前方に操作し増速する。(b)前進速度がついてくると、貫流効果によりロータ回転面前後に揚力の不均衡が生じ左ローリング・モーメントが発生する。(c)低速前進から増速するにつれて、ロータ回転面への空気流入が増加しロータ誘導速度は減少する。コレクティブ・ピッチ・レバーが一定のままでは回転面全体の平均的有効迎え角は大きくなり、ロータはより大きい揚力を発生するようになる。(d)飛行中、テール・ロータに必要な推力は、メイン・ロータ・トルクや胴体のヨーイング・モーメントとの釣り合いで決まる。一般的に、ペダルの中立位置は、その機体の最大巡航速度、あるいは最大航続距離速度付近にあるよう設計されている。
- (1)1
- (2)2
- (3)3
- (4)4
- (5)なし
正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(a)(c)(d)の三つです。
(a)正しい。回転面を前へ傾けて得た推力の前向きの成分で機体は増速しますが、速度がつくと前進側と後退側の揚力の不均衡によって回転面が後ろへ傾きます(フラップ・バック)。その後傾の分だけサイクリック・スティックを前へ操作して増速を続けます。(b)誤り。貫流効果は、回転面の前方と後方の誘導速度の差によって前後に揚力の不均衡が生じる現象です。その影響はジャイロの歳差で回転方向に90°遅れて現れるので、上から見て反時計回りのロータでは、機体は右へ傾こうとする(右ローリング)とされます。「左ローリング・モーメント」は逆です。(c)正しい。増速すると回転面に流れ込む空気が増え、誘導速度が減ります。コレクティブ・ピッチ・レバーが一定なら、回転面全体の平均的な有効迎え角が大きくなり、ロータはより大きな揚力を出します(転移揚力)。(d)正しい。テール・ロータに必要な推力は、メイン・ロータのトルクや、前進飛行で胴体(垂直安定板など)に働くヨーイング・モーメントとの釣り合いで決まります。ペダルの中立位置は、その機体の最大巡航速度や最大航続距離速度の付近になるよう設計されているとされます。
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【増速の過程の操作】
前へのサイクリック フラップ・バックを打ち消して増速を続ける
横のサイクリック 貫流効果による傾きを修正する
コレクティブ 転移揚力で余った揚力の分を下げて調整する
出典:令和元年7月期 航空従事者学科試験 事業用操縦士(飛行機・回転翼) 航空工学(回転翼) 問9(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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