原価計算制度に関する次の記述のうち,原価計算の理論および我が国の「原価計算基準」に照らして正しいものの組合せとして最も適…

管理会計論 管理会計論 問題1

原価計算制度に関する次の記述のうち,原価計算の理論および我が国の「原価計算基準」に照らして正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5 点)ア.「原価計算基準」によると,直接賃金等であって,作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は,実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。直接工の直接作業時間は,作業時間報告書によって把握される。まず勤務時間から定時休憩時間,職場離脱時間を差し引いて就業時間を計算する。その就業時間から手待時間を差し引いた実働時間が段取時間と直接作業時間から構成されることになる。イ.費目別計算においては,原価要素を,原則として,形態別分類を基礎とし,これを直接費と間接費とに大別し,さらに必要に応じ機能別分類を加味して分類する。機能別分類は,原価が経営上のいかなる機能のために発生したかによる分類であるから,原価管理を実施するために重要な役割を果たすとともに,活動基準原価計算(Activity-Based Costing:ABC)を適用するための実質的な基礎になる。ウ.原価計算制度における実際原価の計算には3 つの段階がある。すなわち,製造原価は,原則として,その実際発生額を,まず費目別に計算し,次いで原価部門別に計算し,最後に製品別に集計する。このとき,原価計算は工業簿記の記録に基づいて行なわれる。原価計算数値は複式簿記機構に組み込まれ,原価計算により提供される内訳記録と複式簿記により提供される合計記録とが有機的に結合される。エ.原価管理に役立つために,原価計算は,原価の標準の設定,指示から原価の報告に至るまでのすべての計算過程を通じて,原価の物量を測定表示することに重点をおく。製造現場における原価管理のためには,物量の計算が不可欠だからである。原価計算担当者にとっても物量こそが管理すべき変数となる。

正答 (4)
正答は (4)。原価要素の分類の基本(イ)と、実際原価計算の3段階と複式簿記との結合(ウ)が正しい記述です。 原価計算基準の労務費の計算・原価要素の分類・計算の段階・原価管理の一般的基準を問う問題です。 【各記述】 ア 誤り。就業時間から手待時間を除いた実働時間は、直接作業時間と間接作業時間から成ります。段取時間は加工時間とともに直接作業時間の内訳です。「実働時間=段取時間+直接作業時間」という構成は誤りです。 イ 正しい。原価要素は形態別分類を基礎に直接費と間接費に大別し、必要に応じ機能別分類を加味します。機能別分類は原価がどの機能のために生じたかによる分類で、原価管理に役立ち、活動ごとに原価を集める ABC の考え方の基礎にもなります。
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ウ 正しい。実際原価は費目別→部門別→製品別の順に計算し、原価計算は工業簿記の記録に基づき、複式簿記の勘定と有機的に結び付けられます。 エ 誤り。前半の「原価の物量を測定表示することに重点をおく」は基準の趣旨ですが、原価計算は物量に価格を掛けた金額で原価を測定・報告するものです。原価計算担当者にとって物量だけが管理すべき変数だとする後半は誤りです。 正しいのはイとウで、(4) です。

出典:2023年(令和5年)第Ⅱ回 公認会計士試験 短答式試験 管理会計論 問題1(金融庁 公表)出典元ページ

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