標準原価計算に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。…

管理会計論 管理会計論 問題7

標準原価計算に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(5点)ア.製造間接費の差異を公式法変動予算の三分法によって分解する場合,能率差異は標準配賦率によって計算する方法と変動費率によって計算する方法がある。なお,前者の方法による場合の操業度差異は実際原価計算でも求められるが,後者の方法による操業度差異は実際原価計算では求めることができず,能率差異とともに標準原価計算固有の差異となる。イ.我が国の「原価計算基準」では,標準原価として現実的標準原価,正常原価,予定原価,理想標準原価の四つをあげており,理想標準原価は制度としての標準原価ではないものの,いずれも原価管理に役立つことを目的としている点で共通している。なお,理想標準原価を除いては,原価管理のみならず,たな卸資産価額の算定と予算の編成にも等しく適するものとして用いられる点で共通している。ウ.20 世紀初頭の世界的な不況期において,販売量が減少し,製品在庫が増加しているにもかかわらず,営業利益が増加してしまうという実際原価計算の構造的欠陥が明らかとなった。そのため,実際生産量に応じて製品単位当たり原価が変動せず,売上高の増減と営業利益の増減が対応するように考案された計算方法が標準原価計算である。エ.原価管理の体系としては,原価維持,原価改善,原価企画がある。このうち,標準原価計算による原価管理に相当するものが原価維持であり,それは量産段階にて実際原価を標準原価から乖離させないようにすることを目的としている。なお,原価改善も量産段階における取組であるが,それは標準原価自体の低減を目的としている。

正答 (3)
正答は (3)。三分法の能率差異の2つの計算方法(ア)と、原価維持・原価改善の位置づけ(エ)が正しい記述です。 標準原価計算の差異分析・基準上の標準原価・原価管理の体系を問う問題です。 【各記述】 ア 正しい。能率差異を標準配賦率で計算すると、操業度差異は実際操業度と基準操業度の差で求まり、実際原価計算でも計算できます。変動費率で計算すると、操業度差異は標準操業度を使うため、標準原価計算に固有の差異になります。 イ 誤り。基準は、現実的標準原価は原価管理に、正常原価はたな卸資産価額の算定に、予定原価は予算の編成に「最も適する」などと、それぞれの主な用途を分けて述べています。三つが「等しく適する」とはしていません。
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ウ 誤り。販売量が減っても在庫の増加で利益が増える問題を解決するために考案されたのは、直接原価計算です。標準原価計算は、原価管理のために発達した方法です。 エ 正しい。標準原価計算による管理は原価維持に当たり、量産段階で実際原価を標準から乖離させないことを目指します。原価改善は、量産段階で標準そのものを引き下げる取組です。 正しいのはアとエで、(3) です。

出典:2024年(令和6年)第Ⅱ回 公認会計士試験 短答式試験 管理会計論 問題7(金融庁 公表)出典元ページ

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