株式会社の事業譲渡に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。なお,当該株式会社につ…
企業法 企業法 問題17
株式会社の事業譲渡に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。なお,当該株式会社について,破産手続開始の決定,再生手続開始の決定又は更生手続開始の決定があった場合を除くものとする。(5点)ア.事業譲渡の無効は,訴えによらなければ主張することができない。イ.株式会社が,その事業の全部を譲渡する場合において,事業の全部の譲渡を承認する株主総会決議と同時に当該株式会社を解散する株主総会決議をしたときは,当該株式会社の株主は,当該株式会社に対し,自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができない。ウ.他の会社の事業の重要な一部を譲り受ける場合には,譲受会社において,当該事業の重要な一部を譲り受けることについて株主総会の特別決議による承認を受けなければならない。エ.譲渡会社が,譲受会社に承継されない債務の債権者(以下,「残存債権者」という。)を害することを知って事業を譲渡した場合には,残存債権者は,当該譲受会社に対し,承継した財産の価額を限度として,当該債務の履行を請求することができる。ただし,当該譲受会社が事業の譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときを除く。
- (1)アイ
- (2)アウ
- (3)アエ
- (4)イウ
- (5)イエ
- (6)ウエ
正答 (5)
正答は (5)。全部譲渡と同時に解散決議をすれば買取請求はできず(イ)、詐害的な事業譲渡では残存債権者が請求できます(エ)。
事業譲渡は組織再編と違い、無効の訴えの制度がない点や、譲受会社側の決議が要る場面が限られる点を押さえます。
【各記述】
ア 誤り。合併などと異なり、事業譲渡には無効の訴えの制度がありません。無効は一般原則に従い、訴え以外の方法でも主張できます。
イ 正しい。事業の全部の譲渡を承認する総会の決議と同時に解散の決議がされたときは、反対株主の株式買取請求は認められません(会社法469条1項1号)。
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ウ 誤り。譲受会社で総会の特別決議が必要なのは、他の会社の事業の「全部」の譲受けです(467条1項3号)。重要な一部の譲受けには必要ありません。
エ 正しい。譲渡会社が残存債権者を害することを知って事業を譲渡したときは、残存債権者は譲受会社に対し、承継した財産の価額を限度として履行を請求できます。ただし、譲受会社が効力発生時に害することを知らなかったときは除かれます(23条の2第1項)。
正しいのはイとエで、(5) です。
出典:2025年(令和7年)第Ⅱ回 公認会計士試験 短答式試験 企業法 問題17(金融庁 公表)出典元ページ
最終更新日
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