次のうち,L精神保健福祉士の一連の関わりの背景にある理念として,適切なものを2 つ選びなさい。…

精神保健福祉相談援助の基盤 第32問

〔事例〕L精神保健福祉士は,精神障害者を主な利用者とする就労継続支援B型事業所で働いている。作業が終わると利用者数人が集まり,人付き合いや生活上の困りごと,夢や願いなど様々なことを互いに話し合っていた。その話し合いの場は徐々に広がりを見せ,他の事業所の利用者も加わるようになっていった。L精神保健福祉士は,その活動の代表となったMさんから話し合いの場所について相談を受け,公民館を紹介した。しばらくの間,L精神保健福祉士が会場予約を代わりにしていたが,Mさんたちは集まる時間や回数,ルールなどを決め,会場予約を含めて自分たちで運営するようになっていった。そして自分たちの活動に「α」と名前を付けた。ある日,L精神保健福祉士は,市の社会福祉協議会のA社会福祉士から「精神障害への理解と関わり」をテーマに市民を対象とした研修会の講師を依頼された。研修会でL精神保健福祉士は,精神疾患の発症頻度や症状,リカバリーの考え方などについて講義した。受講者からは,「精神疾患について初めて学ぶ機会を得た」「町内に障害者の事業所があるが,ほとんど交流がない」などの感想が述べられた。そこでL精神保健福祉士とA社会福祉士は,精神障害についての理解が地域ではなかなか得られにくく,見えない壁があると考え,次は当事者にも講師を担当してもらい研修会を企画しようと話し合った。L精神保健福祉士が「α」のメンバーに相談したところ,自分たちの経験を発信する機会にしたいと賛同が得られた。「α」のメンバーとL精神保健福祉士は,地域への発信の内容や方法をそれぞれの立場から学び合い,皆で考え準備を進めた。半年後に「α」のメンバーが講師に加わった新たな研修会を開いた。研修会後,受講者から,「同じ地域社会の中で共に生活している人だと感じた」「一緒に町内のイベントなど何かをやれそうに思う,やってみたい」などの感想が寄せられた。次のうち,L精神保健福祉士の一連の関わりの背景にある理念として,適切なものを2 つ選びなさい。

正答 (1)(4)
正答は (1)と(4)。適切なのはこの2つです。 (1) ソーシャルインクルージョンは、誰もが排除されず、地域社会の 一員として包み込まれる社会を目指す理念です。研修会の後の「同じ地域社会の中で共に生活している人だと感じた」という 感想は、この理念に沿う変化です。 (4) バリアフリーは、物理的な障壁だけでなく、制度・文化・情報・ 意識上の障壁(心の壁)を取り除くことも含みます。 L精神保健福祉士らは、地域の理解が得られにくい「見えない壁」を取り除くために、当事者が講師となる研修会を企画しました。
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【ほかの選択肢】 (2) メインストリーミングは、障害のある子どもを通常の学級で 教育する考え方で、主に教育の分野の用語です。 誤り (3) インテグレーションは、分離されていた障害者を一般の社会や 学校に統合する考え方です。事例のねらいは、統合の確立より、排除しない地域づくりと意識の壁の解消です。 誤り (5) アクセシビリティは、施設・情報・サービスの利用のしやすさ です。事例の課題は意識の壁であり、利用のしやすさではあり ません。 誤り

出典:精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度)(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 公表試験問題)出典元ページ

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