書証に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第4問
書証に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 私文書は,本人の署名又は押印があるときは,真正に成立したものとみなされる。イ 文書の成立の真正についての自白は,裁判所を拘束しない。ウ 裁判所は,第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には,その第三者を審尋しなければならない。エ 訴訟の当事者が文書提出命令に従わないときは,裁判所は,決定で,過料に処する。オ 証拠調べの必要性を欠くことを理由として文書提出命令の申立てを却下する決定に対しては,その必要性があることのみを理由として即時抗告をすることができる。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)ウオ
正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとウです。
【ア】誤り
私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと「推定」されます(民事訴訟法228条4項)。「みなされる」のではないので、反証によってくつがえすことができます。
【イ】正しい
判例は、書証の成立の真正についての自白は裁判所を拘束しないとしています。文書の成立の真正は補助事実で、主要事実についての自白のような拘束力は認められません。
【ウ】正しい
裁判所は、第三者に対して文書の提出を命じようとする場合には、その第三者を審尋しなければなりません(民事訴訟法223条2項)。当事者でない第三者に不利益を課すので、その言い分を聴く機会を保障しています。
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【エ】誤り
当事者が文書提出命令に従わないときは、裁判所は、当該文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができます(民事訴訟法224条1項)。過料に処されるのは、第三者が文書提出命令に従わない場合です(同法225条1項。20万円以下の過料)。
【オ】誤り
文書提出命令の申立てについての決定に対しては即時抗告をすることができます(民事訴訟法223条7項)が、判例は、証拠調べの必要性を欠くことを理由として申立てを却下した決定に対し、その必要性があることを理由として独立に不服の申立てをすることはできないとしています。証拠調べの必要性の判断は受訴裁判所に委ねられているためです。
【組み合わせ】
正しいのはイとウで、これを組とする (3) が正答です。
出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第4問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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