民事保全に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…
午後の部(民事保全法・民事執行法) 午後の部 第6問
民事保全に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 仮の地位を定める仮処分命令の申立てについて口頭弁論を経た場合には,その申立てについての裁判は,判決をもってしなければならない。イ 100万円の貸金返還請求権を被保全権利とする債権の仮差押命令の申立てについては,簡易裁判所に申し立てることができる。ウ 民事保全の手続に関しては,民事訴訟法の文書提出命令に関する規定は準用されない。エ 仮差押命令の申立てを却下する決定は,債務者に告知しなければならない。オ 仮差押命令に対する保全異議の申立ては,本案の訴えが提起された後であってもすることができる。
- (1)アイ
- (2)アエ
- (3)イオ
- (4)ウエ
- (5)ウオ
正答 (2)
正答は (2)。誤っているのはアとエです。
【ア】誤り
民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができます(民事保全法3条)。民事保全法は手続の迅速化のため、裁判の形式をすべて決定としています。口頭弁論を経た場合でも、判決ではなく決定で裁判をします。
【イ】正しい
保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄します(民事保全法12条1項)。100万円の貸金返還請求訴訟は、訴訟の目的の価額が140万円を超えないので簡易裁判所の事物管轄に属し(裁判所法33条1項1号)、簡易裁判所は本案の管轄裁判所として仮差押命令の申立てを受けることができます。
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【ウ】正しい
民事保全の手続には、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定が準用されます(民事保全法7条)。しかし、保全命令の申立ての理由は疎明すれば足り、疎明は即時に取り調べることができる証拠によってしなければなりません(民事保全法13条2項、民事訴訟法188条)。文書提出命令は即時に取り調べられる証拠方法ではないので、その性質上、民事保全の手続には準用されないと解されています。
【エ】誤り
保全命令の申立てを却下する決定は、債務者に対し口頭弁論又は審尋の期日の呼出しがされた場合を除き、債務者に告知することを要しません(民事保全規則16条1項)。仮差押えは債務者に知られずに行う必要(密行性)があるためです。
【オ】正しい
保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができます(民事保全法26条)。申立ての期間の制限はなく、本案の訴えが提起された後でも申し立てることができます。
【組み合わせ】
誤っているのはアとエで、これを組とする (2) が正答です。
出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第6問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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