抵当権の設定の登記の抹消の申請に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれ…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第21問

抵当権の設定の登記の抹消の申請に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 第1 順位で設定の登記がされている抵当権が被担保債権の弁済により消滅したときは,第2 順位で設定の登記がされている抵当権の登記名義人は,第1 順位の抵当権の登記名義人と共同して,当該第1 順位の抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。イ 抵当権の登記名義人が当該抵当権の目的である不動産を取得し,当該抵当権が混同により消滅したため,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をするときは,当該抵当権の設定の登記が完了した際に通知された登記識別情報を提供することを要しない。ウ 抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされている場合において,その後,当該株式会社の清算人として登記されていた者が,当該抵当権を放棄したときは,当該清算人として登記されていた者を登記義務者として,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。エ 抵当権の登記名義人である株式会社について清算結了の登記がされており,かつ,当該株式会社の清算人として登記されていた者全員の所在が不明である場合であっても,不動産登記法第70条第3項後段の規定による当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることはできない。オ 登記義務者の所在が知れないため不動産登記法第70条第3項後段の規定による権利に関する登記の抹消の申請をする場合において,当該権利が抵当権であるときは,当該抵当権の被担保債権の元本及び最後の2年分についての遅延損害金に相当する金銭を供託したことを証する情報を提供して,当該抵当権の設定の登記の抹消の申請をすることができる。(参考)不動産登記法第70条 登記権利者は,登記義務者の所在が知れないため登記義務者と共同して権利に関する登記の抹消を申請することができないときは,非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第99条に規定する公示催告の申立てをすることができる。2 (略)3  第1項に規定する場合において,登記権利者が先取特権,質権又は抵当権の被担保債権が消滅したことを証する情報として政令で定めるものを提供したときは,第60条の規定にかかわらず,当該登記権利者は,単独でそれらの権利に関する登記の抹消を申請することができる。同項に規定する場合において,被担保債権の弁済期から20年を経過し,かつ,その期間を経過した後に当該被担保債権,その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭が供託されたときも,同様とする。

正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとエです。 【ア】正しい 弁済により消滅した先順位の抵当権の登記が残っていると、後順位の抵当権者は順位が上昇する利益を害されます。そのため、第2順位の抵当権の登記名義人は、登記上の利害関係を有する者として、第1順位の抵当権の登記名義人と共同して、第1順位の抵当権の設定の登記の抹消を申請することができるとされています。 【イ】誤り 混同による抵当権の設定の登記の抹消も、抵当権の登記名義人が登記義務者となる共同申請の形の登記で(実際には同一人が登記権利者と登記義務者を兼ねます)、登記義務者の登記識別情報の提供が必要です(不動産登記法22条)。抵当権の設定の登記の際に通知された登記識別情報を提供しなければなりません。
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【ウ】誤り 清算結了の登記後に、清算人として登記されていた者が抵当権を放棄した場合、抵当権という残余財産があった以上、清算は実際には結了していなかったことになります。この場合に清算人であった者が登記義務者として申請するには、その前提として清算結了の登記を抹消して清算人の登記を回復する必要があるとされています(清算結了の前に弁済などで抵当権が消滅していた場合は、清算人であった者がそのまま申請できる扱いです)。 【エ】正しい 不動産登記法70条3項後段の単独申請は、登記義務者の所在が知れないことが要件です。清算結了の登記がされている株式会社について、清算人として登記されていた者全員の所在が不明であっても、この規定による抹消の申請はできないとされています。この場合は、裁判所に清算人の選任を求めるなどの方法によることになります。※2026年10月時点では、2023年4月1日施行の改正で、解散した法人の担保権の登記について、清算人の所在が判明しないなど一定の要件を満たすときに登記権利者が単独で抹消を申請できる規定(不動産登記法70条の2)が設けられています。 【オ】誤り 不動産登記法70条3項後段による抹消の申請では、被担保債権の弁済期から20年を経過し、かつ、その期間を経過した後に、被担保債権、その利息及び債務不履行により生じた損害の全額に相当する金銭を供託したことが必要です。抵当権の優先弁済の範囲を最後の2年分に限る民法375条の考え方は当てはまらず、元本と最後の2年分の遅延損害金の供託では足りません。 【組み合わせ】 正しいのはアとエで、これを組とする (1) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第21問(法務省 公表)出典元ページ

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