控訴に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第5問
控訴に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 控訴をする権利は、第一審裁判所が判決を言い渡す前にあらかじめ放棄することができる。イ 第一審判決が判決書の原本に基づいて言い渡されたときは、控訴の提起は、判決書の送達を受けた日から2 週間の不変期間内に、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければならない。ウ 主位的請求を棄却し予備的請求を認容した第一審判決に対し、被告のみが控訴し、原告が控訴も附帯控訴もしないときは、予備的請求に対する第一審判決の当否のみが控訴審の審判の対象となる。エ 被控訴人は、既に自らの控訴期間が経過しているとき又は既に控訴をする権利を放棄しているときは、控訴審の口頭弁論の終結前であっても、附帯控訴をすることができない。オ 第一審裁判所が、100万円の貸金返還請求について、60万円の限度で一部認容する判決をした場合には、原告が請求棄却部分のうち20万円の部分についてのみ控訴したときであっても、控訴審裁判所は、原判決を取り消して100万円全額について請求を認容することができる。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)ウオ
正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとウです。
【ア】誤り
控訴をする権利は、第一審判決の言渡しによって生ずるものです。控訴権の放棄を認める民事訴訟法284条は、判決の言渡し後の放棄を予定したもので、判決の言渡し前に当事者の一方が控訴権をあらかじめ放棄することはできないと解されています。なお、判決前に当事者双方が控訴をしない旨を合意すること(不控訴の合意)とは区別されます。
【イ】正しい
控訴は、判決書又は判決書に代わる調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に提起しなければなりません(民事訴訟法285条本文)。控訴の提起は、控訴状を第一審裁判所に提出してしなければなりません(民事訴訟法286条1項)。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】正しい
判例は、主位的請求を棄却し予備的請求を認容した第一審判決に対し、被告のみが控訴し、原告が控訴も附帯控訴もしない場合には、控訴審の審判の対象となるのは予備的請求に対する第一審判決の当否に限られ、主位的請求は審判の対象とならないとしています。
【エ】誤り
被控訴人は、控訴権が消滅した後であっても、口頭弁論の終結に至るまで、附帯控訴をすることができます(民事訴訟法293条1項)。自らの控訴期間が経過した場合や、控訴権を放棄した場合でも、附帯控訴はできます。
【オ】誤り
第一審判決の取消し及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、することができます(民事訴訟法304条)。原告が請求棄却部分40万円のうち20万円についてだけ控訴したときは、控訴審は、控訴の範囲の拡張や附帯控訴がない限り、認容額を80万円を超えて増やすことはできず、100万円全額を認容することはできません。
【組み合わせ】
正しいのはイとウで、これを組とする (3) が正答です。
出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午後の部 第5問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午後の部(民事訴訟法)」のほかの問題
- 2025年(令和7年度) 午後の部 第4問書証に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1
- 2021年(令和3年度) 午後の部 第2問期日又は期間に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 ま
- 2021年(令和3年度) 午後の部 第5問第一審の民事訴訟手続における判決又は決定に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨
- 2023年(令和5年度) 午後の部 第3問次の対話は、訴訟費用に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの
- 2024年(令和6年度) 午後の部 第1問訴訟委任に基づく訴訟代理人に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは
- 2024年(令和6年度) 午後の部 第4問裁判によらない訴訟の完結に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいも
スポンサーリンク

