弁済供託に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。…

午後の部(供託法・司法書士法) 午後の部 第10問

弁済供託に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 建物の賃貸借における賃借人は、債務の本旨に従って賃料を賃貸人に提供し、賃料の受領と引換えに受取証書の交付を請求した場合において、賃貸人が賃料は受領しようとしたものの、受取証書の交付を拒んだときは、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。イ 不法行為に基づく損害賠償債務について、債務者及び債権者の間で損害賠償の額に争いがあるために受領拒絶を原因とする弁済供託がされた場合において、被供託者が還付請求をするときは、損害賠償金の一部として受領する旨の留保を付すことはできない。ウ 不法行為に基づく損害賠償債務の債務者は、損害賠償額に相当する額に履行の請求を受けた日から弁済の提供の日までの遅延損害金を加えた額をもって、弁済供託をすることができる。エ 弁済供託の供託者が供託所に対して供託金取戻請求権を放棄する旨の意思表示をした場合には、これによって取戻請求権は消滅し、この放棄を撤回することができない。オ 弁済供託が供託をすべき供託所以外の供託所に供託されている場合であっても、被供託者は、当該供託に係る供託金の還付を請求することができる。

正答 (3)
正答は (3)。誤っているのはイとウです。 【ア】正しい 弁済をする者は、弁済と引換えに、受取証書の交付を請求することができます(民法486条)。弁済と受取証書の交付は同時履行の関係にあるので、賃貸人が賃料を受け取ろうとしても受取証書の交付を拒むときは、賃借人は弁済を拒むことができ、受領拒絶があったものとして弁済供託をすることができるとされています。 【イ】誤り 損害賠償の額に争いがあって受領拒絶を原因とする弁済供託がされた場合でも、被供託者は、損害賠償金の一部として受領する旨の留保を付して、還付請求をすることができるとされています。留保を付して還付を受ければ、供託を債務全額の弁済として受諾したことにならず、残額を請求する余地が残ります。
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【ウ】誤り 判例は、不法行為に基づく損害賠償債務は、損害の発生と同時に、何らの催告を要することなく遅滞に陥るとしています。弁済供託をするには、損害賠償額に、不法行為の時から弁済の提供の日までの遅延損害金を加えた額を供託する必要があり、履行の請求を受けた日から起算した遅延損害金では債務の本旨に従った供託とはいえません。 【エ】正しい 供託者は、供託所に対して取戻請求権を放棄する旨の意思表示をすることができ、これにより取戻請求権は消滅し、放棄を撤回することはできないとされています。 【オ】正しい 弁済供託は債務履行地の供託所にしなければなりません(民法495条1項)が、管轄違いの供託所にされた供託でも、被供託者が還付請求をすれば、その供託を受諾したことになり、供託は有効になると解されています。被供託者は、その供託金の還付を請求することができます。 【組み合わせ】 誤っているのはイとウで、これを組とする (3) が正答です。

出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午後の部 第10問(法務省 公表)出典元ページ

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