株主の権利に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれ…
午前の部(会社法・商法) 午前の部 第28問
株主の権利に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 取締役会設置会社の唯一の株主がその保有する譲渡制限株式を他人に譲渡した場合には、取締役会の決議による承認がないときであっても、その譲渡は、当該会社に対する関係において有効である。イ 株式会社は、基準日株主が行使することができる権利が株主総会における議決権である場合において、当該基準日株主の権利を害しないときは、基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を議決権を行使することができる者と定めることができる。ウ 株券発行会社の株券を所持する株主は、当該会社に対し、当該株主に係る株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は当該事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。エ 株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。オ 監査役設置会社において、株主が取締役会の議事録の閲覧又は謄写を請求するためには、裁判所の許可を得ることを要しない。
- (1)アウ
- (2)アエ
- (3)イエ
- (4)イオ
- (5)ウオ
正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはウとオです。
【ア】正しい
判例は、いわゆる一人会社の株主がその保有する譲渡制限株式を他に譲渡した場合には、取締役会の承認がなくても、その譲渡は会社に対する関係においても有効であるとしています。譲渡制限の趣旨は、会社にとって好ましくない者が株主になることを防ぎ、譲渡人以外の株主の利益を守ることにあり、唯一の株主が譲渡するのであれば守るべき他の株主がいないからです。
【イ】正しい
会社法第124条第4項は、基準日株主が行使できる権利が株主総会又は種類株主総会における議決権である場合には、株式会社は、基準日後に株式を取得した者の全部又は一部を、その権利を行使できる者と定めることができるとし、ただし書で、その株式の基準日株主の権利を害することができないとしています。基準日後に募集株式の発行などで新たに株主になった者に議決権を与える場合などが想定されています。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ウ】誤り
株主は、株式会社に対し、その株主の株主名簿記載事項を記載した書面の交付又は電磁的記録の提供を請求できます(会社法第122条第1項)。しかし、同条第4項は、この規定は株券発行会社については適用しないと定めています。株券発行会社では、株主は株券によって権利を証明できるからです。
【エ】正しい
会社法第105条第2項は、株主に剰余金の配当を受ける権利及び残余財産の分配を受ける権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しないと定めています。どちらか一方を与えないことはできますが、両方とも与えないことはできません。
【オ】誤り
株主は、その権利を行使するため必要があるときは、取締役会の議事録の閲覧又は謄写を請求できます(会社法第371条第2項)。ただし、監査役設置会社、監査等委員会設置会社又は指名委員会等設置会社では、裁判所の許可を得なければなりません(同条第3項)。これらの会社では監査役などによる監督が働くので、株主の閲覧には裁判所の関与を求めているのです。
【整理】
取締役会議事録の閲覧・謄写
株主:監査役・監査等委員会・指名委員会等を置く会社では裁判所の許可が必要(第371条第3項)
債権者:役員の責任追及のため必要なとき、裁判所の許可(同条第4項)
誤っているのはウとオですから、正答は (5) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午前の部 第28問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前の部(会社法・商法)」のほかの問題
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第28問譲渡制限株式に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは
- 2025年(令和7年度) 午前の部 第33問持分会社に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのう
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第30問会計参与設置会社に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1か
- 2021年(令和3年度) 午前の部 第35問倉庫営業に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までの
- 2022年(令和4年度) 午前の部 第31問取締役に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、
- 2023年(令和5年度) 午前の部 第27問次の対話は、株式会社の設立に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアから
スポンサーリンク

