書面申請における印鑑に関する証明書の添付に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5まで…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第17問

書面申請における印鑑に関する証明書の添付に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、A、B及びCは自然人とし、いずれの申請においても必要な登記識別情報は提供されているものとする。ア Aが所有権の登記名義人である甲土地について、AからBへの所有権の移転の登記が申請されている場合において、当該登記が完了する前に当事者の登記申請意思の撤回を理由として当該申請を取り下げるときは、当該申請を取り下げる旨の情報を記載した書面にA及びBの印鑑に関する証明書を添付することを要する。イ Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Bを質権者とし、Aを債務者とする質権の設定の登記がされている場合において、CがAの債務を免責的に引き受けたことにより当該質権の債務者の変更の登記を申請するときは、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要しない。ウ Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aが単独で甲土地を自己信託の対象とする方法によってされた信託による権利の変更の登記を申請する場合には、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要しない。エ A及びBが所有権の登記名義人である甲土地について、共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記を申請する場合には、A及びBの印鑑に関する証明書を添付することを要する。オ Aが登記名義人である所有権の保存の登記がされているが、所有権の移転の登記がされていない甲建物について、Aが単独で当該所有権の保存の登記の抹消を申請する場合には、Aの印鑑に関する証明書を添付することを要する。

正答 (1)
正答は (1)。誤っているのはアとウです。 書面申請では、申請人(委任による代理人によるときは委任状の作成者)は申請書や委任状に記名押印し、一定の場合には押印した印鑑に関する証明書を添付します(不動産登記令第16条・第18条)。添付が必要な場合は不動産登記規則で定められ、所有権の登記名義人が登記義務者となる登記のほか、所有権の登記名義人が申請する一定の登記(共有物分割禁止の定めに係る権利の変更、所有権の移転の登記がない場合の所有権の登記の抹消、自己信託による権利の変更など)が挙げられています。
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【ア】誤り 登記の申請の取下げは、取下げの情報を記載した書面を提出してします(不動産登記規則第39条第1項第2号)が、その書面に申請人の印鑑に関する証明書を添付することは求められていません。登記申請意思の撤回を理由とする場合も同じです。 【イ】正しい 所有権の登記名義人が登記義務者となる登記でも、担保権(根抵当権と根質権を除く)の債務者に関する変更の登記と更正の登記は、印鑑に関する証明書の添付を要しない場合とされています。質権(根質権でないもの)の債務者の変更の登記なので、登記義務者である所有者Aの印鑑に関する証明書は不要です。債務者の変更は、担保の負担そのものを重くするものではないからです。 【ウ】誤り 自己信託(信託法第3条第3号)による信託の登記は、受託者となる所有者Aが単独で申請できます(不動産登記法第98条第3項)。この場合の権利の変更の登記は、所有権の登記名義人が申請する登記として、Aの印鑑に関する証明書の添付が必要とされています。単独申請でも、所有権の登記名義人の真意を確かめる必要があるからです。 【エ】正しい 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記は、共有者全員が登記権利者と登記義務者を兼ねて申請します。所有権の登記名義人が申請する登記として、AとBの印鑑に関する証明書の添付が必要です。 【オ】正しい 所有権の移転の登記がない場合の所有権の保存の登記の抹消は、所有権の登記名義人が単独で申請できます(不動産登記法第77条)。この登記は所有権を失わせるものなので、所有権の登記名義人Aの印鑑に関する証明書の添付が必要です。 【見分け方】 「所有権の登記名義人の権利が失われたり制限されたりする登記か」で考えます。単独申請でも、所有権の保存の登記の抹消(オ)や自己信託(ウ)は必要、担保権の債務者の変更(イ)や申請の取下げ(ア)は不要です。 誤っているのはアとウですから、正答は (1) です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第17問(法務省 公表)出典元ページ

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