次の対話は、新設分割の登記に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答の…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第34問

次の対話は、新設分割の登記に関する司法書士と補助者との対話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、租税特別措置法等の特例法による税の減免規定の適用はないものとする。司法書士: 国民の祝日である日を変更の年月日として、新設分割株式会社の新設分割による変更の登記を申請することができますか。補助者:ア はい。この場合、新設分割計画で定められた効力発生日に新設分割の効力が生じますので、新設分割株式会社については、当該日を変更の年月日として、その後法定の期間内に変更の登記を申請することができます。司法書士: 新設分割株式会社の本店所在地を管轄する登記所がA法務局、新設分割設立株式会社の本店所在地を管轄する登記所がB法務局の場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書と新設分割株式会社の変更の登記の申請書は、どの法務局に提出しますか。補助者:イ B法務局に対し、同時に提出します。司法書士: 新設分割計画において、会社法第763条第1項第12号に掲げる事項の定めがなく、かつ、新設分割株式会社が新設分割設立株式会社に承継させる債務の全てにつき新設分割株式会社が重畳的債務引受けをする旨の定めがある場合には、新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書には、債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要がありますか。補助者:ウ この場合、当該登記の申請書に債権者保護手続を行ったことを証する書面を添付する必要はありません。司法書士: 新設分割設立株式会社の設立の登記の申請書に、新設分割計画が承認されたことを証する書面として株主総会の議事録を添付する必要がないのは、どのような場合ですか。補助者:エ いわゆる簡易分割又は略式分割の場合には、当該登記の申請書に株主総会の議事録を添付する必要はありません。司法書士: 最後に、新設分割設立株式会社の資本金の額が1000万円である場合には、新設分割による新設分割設立株式会社の設立の登記をする場合の登録免許税の額は、いくらですか。補助者:オ 15万円です。(参考)会社法第763条 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社(以下この編において「新設分割設立会社」という。)が株式会社であるときは、新設分割計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。一~十一 (略)十二 新設分割株式会社が新設分割設立株式会社の成立の日に次に掲げる行為をするときは、その旨イ 第171条第1項の規定による株式の取得(同項第1号に規定する取得対価が新設分割設立株式会社の株式(これに準ずるものとして法務省令で定めるものを含む。ロにおいて同じ。)のみであるものに限る。)ロ 剰余金の配当(配当財産が新設分割設立株式会社の株式のみであるものに限る。)2 (略)

正答 (3)
正答は (3)。正しいのはイとウです。 【ア】誤り 新設分割による権利義務の承継は、新設分割設立株式会社の成立の日に生じます(会社法764条1項)。新設分割計画には吸収分割のような効力発生日を定める仕組みがなく、設立会社は本店の所在地で設立の登記をすることによって成立するので(49条)、効力が生じるのは設立の登記の申請の日です。登記所は国民の祝日などの休日には申請を受け付けないので、祝日を設立の日とすることはできず、その日を変更の年月日とする新設分割株式会社の変更の登記もできません。 【イ】正しい
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新設分割株式会社がする新設分割による変更の登記の申請は、その登記所の管轄区域内に新設分割設立会社の本店がないときは、設立会社の本店の所在地を管轄する登記所を経由してしなければならず(商業登記法87条1項)、設立の登記の申請と同時にしなければなりません(同条2項)。両方の申請書をB法務局に同時に提出します。 【ウ】正しい 新設分割で債権者が異議を述べることができるのは、分割後に新設分割株式会社に対して債務の履行を請求することができなくなる債権者です(会社法810条1項2号)。763条1項12号の定めがあれば分割会社の債権者全員が異議を述べることができますが、この事例ではその定めがなく、承継させる債務の全部を分割会社が重畳的に引き受けるので、分割会社の債権者は引き続き分割会社に請求できます。異議を述べることができる債権者がいないので債権者保護手続は不要で、設立の登記の申請書に、その手続を行ったことを証する書面(商業登記法86条8号)を添付する必要はありません。 【エ】誤り 新設分割設立会社の設立の登記の申請書には、新設分割株式会社で新設分割計画の承認(会社法804条1項)があったことを証する書面(株主総会の議事録)を添付します。簡易分割(805条)の場合は、その場合に当たることを証する書面と、取締役の過半数の一致があったことを証する書面又は取締役会の議事録を添付すれば足ります(商業登記法86条6号)。しかし、新設分割では相手方の会社がまだ存在しないので、特別支配会社による略式分割の制度はありません。「略式分割」の場合を挙げる点が誤りです。 【オ】誤り 新設分割による株式会社の設立の登記の登録免許税は、資本金の額の1000分の7(これによって計算した税額が3万円に満たないときは3万円)です(登録免許税法別表第一第24号(一)ト)。資本金の額が1000万円なら、1000万円×7/1000=7万円です。15万円は、通常の株式会社の設立の登記(同号(一)イ)の最低額です。 【組み合わせ】 正しいのはイとウで、これを組とする (3) が正答です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第34問(法務省 公表)出典元ページ

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