次の対話は、書面による登記の申請の代理に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のう…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第12問

次の対話は、書面による登記の申請の代理に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。教授: Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aの単独親権者であるBが法定代理人として所有権の移転の登記の申請をしようとしたが、その申請前にAが死亡した場合には、Bの当該申請に関する代理権は、どうなりますか。学生:ア その代理権は消滅しません。教授: それでは、Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aの成年後見人であるBが法定代理人として司法書士Cに対してAからDへの所有権の移転の登記の申請を委任したが、その後、Bが破産手続開始の決定を受けた場合には、Cは、当該申請の添付情報として、誰の印鑑に関する証明書を提供しなければなりませんか。学生:イ Bの印鑑に関する証明書を提供しなければなりません。教授: 当該申請の添付情報として提供する印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものであることを要しますか。学生:ウ 作成後3か月以内のものであることを要します。教授: 事例を変えて、Aが唯一の代表者である会社法人等番号を有するB法人が所有権の登記名義人である甲土地について、AがB法人を代表して司法書士Cに対してB法人からDへの所有権の移転の登記の申請を委任したが、当該申請前にAがB法人の代表者を辞任し、新しい代表者としてEが就任したとします。この場合において、当該登記申請の添付情報としてB法人の会社法人等番号を提供することとなりますが、それだけではAが代表者であったことが確認できないときは、添付情報として何を提供すべきですか。学生:エ 登記申請の委任を受けた当時にAが代表者であったことが確認できるB法人の登記事項証明書を提供しなければなりません。教授: 最後に、Aが所有権の登記名義人である甲土地について、Aが司法書士B及び司法書士Cに対してAからDへの所有権の移転の登記の申請を委任したが、特に共同代理の定めがされていない場合には、B及びCを代理人とする代理権限を証する情報を提供して、Cのみが当該申請を代理することはできますか。学生:オ B及びCが共同して当該申請を代理しなければならず、Cのみが当該申請を代理することはできません。

正答 (2)
正答は (2)。誤っているのはアとオです。 【ア】誤り 不動産登記法17条は、登記の申請をする者の「委任による代理人」の権限が本人の死亡などによって消滅しないとする規定で、法定代理人には適用されません。単独親権者Bの代理権は法定代理権なので、民法の原則どおり、本人Aの死亡によって消滅します(民法111条1項1号)。 【イ】正しい 成年後見人Bが法定代理人として司法書士Cに申請を委任した後、Bが破産手続開始の決定を受けると、Bの法定代理権は消滅します(民法111条1項2号。破産者は後見人の欠格事由でもあります(847条3号))。しかし、委任による代理人Cの権限は、法定代理人の代理権の消滅によっては消滅しません(不動産登記法17条4号)。書面による申請では、委任状に記名押印した者の印鑑に関する証明書を添付するので(不動産登記令18条2項)、委任状を作成したBの印鑑に関する証明書を提供します。
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【ウ】正しい 委任状に添付する印鑑に関する証明書は、作成後3か月以内のものでなければなりません(不動産登記令18条3項)。 【エ】正しい 会社法人等番号を有する法人が申請人となるときは、その会社法人等番号を提供します(不動産登記令7条1項1号イ)。代表者Aが委任をした後に辞任しても、委任による代理人Cの権限は消滅しないと解されています(不動産登記法17条の趣旨)。ただし、会社法人等番号によって確認できる登記の記録からは、委任を受けた当時Aが代表者であったことが確認できないときは、それを確認できるB法人の登記事項証明書を提供しなければならないとされています。 【オ】誤り 代理人が数人ある場合でも、共同代理の定めがなければ、各代理人がそれぞれ単独で本人を代理することができると解されています。登記の申請の代理でも同じで、司法書士BとCに委任し、共同代理の定めがないときは、BとCを代理人とする代理権限を証する情報を提供して、Cだけで申請を代理することができます。 【組み合わせ】 誤っているのはアとオで、これを組とする (2) が正答です。

出典:2025年(令和7年度) 司法書士試験 午後の部 第12問(法務省 公表)出典元ページ

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