鼻炎用点鼻薬に含まれる成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。…
主な医薬品とその作用 第44問
鼻炎用点鼻薬に含まれる成分に関する記述の正誤について、正しい組合せを一つ選べ。a ナファゾリン塩酸塩は、アドレナリン作動成分であり、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられる。b フェニレフリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。c グリチルリチン酸二カリウムは、アレルギー性鼻炎にも用いられるが、かぜ薬や胃薬、鎮咳去痰薬などにも含まれている可能性があるので、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。d リドカイン塩酸塩は、鼻粘膜の神経伝導を不可逆的に遮断することで鼻汁の分泌を抑える。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (4)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
- (5)a: 正 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (1)
正答は (1)。(a)正、(b)正、(c)正、(d)誤です。
【(a)正しい ―― ナファゾリン塩酸塩】
ナファゾリン塩酸塩はアドレナリン作動成分で、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させ、鼻粘膜の充血や腫れを和らげることを目的として用いられます。
鼻づまりは、鼻粘膜の血管が広がって腫れることで起こりますから、血管を縮めれば通りがよくなる、という理屈です。
【(b)正しい ―― 使いすぎると逆効果】
フェニレフリン塩酸塩が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすいという性質があります。
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これを薬剤性鼻炎(反跳性鼻閉)といいます。アドレナリン作動成分全般に共通する現象ですので、長期連用を避けるよう伝えることが重要です。
「効かなくなったからもっと使う」という悪循環に陥りやすいため、購入時に必ず注意を促してください。
【(c)正しい ―― グリチルリチン酸の総摂取量】
グリチルリチン酸二カリウムは抗炎症成分で、鼻粘膜の炎症を和らげる目的で点鼻薬に配合されます。
問題は、グリチルリチン酸がかぜ薬、胃薬、鎮咳去痰薬など、さまざまな医薬品に広く配合されていることです。さらに、甘味料として一般食品にも用いられます。
そのため、総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要があります。過剰になると偽アルドステロン症(むくみ、血圧上昇、低カリウム血症、手足のだるさ、しびれ)を生じるおそれがあります。
とくに、高齢者、むくみのある人、心臓病・腎臓病・高血圧の診断を受けた人では注意が必要です。1日最大服用量がグリチルリチン酸として40ミリグラム以上の製品では、これらの人は「相談すること」とされています。
【(d)が誤り ―― 遮断は「可逆的」】
リドカイン塩酸塩などの局所麻酔成分は、鼻粘膜の過敏性や痛みや痒みを抑えることを目的として配合されます。
その作用は、神経伝導を可逆的に遮断するものです。不可逆的ではありません。薬の効果が切れれば、神経の働きは元に戻ります。
もし不可逆的に遮断されてしまうのであれば、その部位の感覚は二度と戻らないことになります。そのようなものを一般用医薬品に配合できるはずがありません。局所麻酔は一時的なものだ、という常識から判断できます。
なお、設問は「鼻汁の分泌を抑える」ともしていますが、鼻汁の分泌を抑えるのは抗コリン成分(ベラドンナ総アルカロイド)の働きであり、この点も正確ではありません。
【鼻炎用点鼻薬の成分を整理する】
アドレナリン作動成分(ナファゾリン塩酸塩、
フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩) ……
鼻粘膜の充血・腫れの緩和
抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩、
ケトチフェンフマル酸塩) …… くしゃみ、鼻汁の緩和
抗アレルギー成分(クロモグリク酸ナトリウム) ……
ヒスタミンの遊離を抑える。アレルギー性でない鼻炎には効果がない
局所麻酔成分(リドカイン、リドカイン塩酸塩) ……
鼻粘膜の過敏性、痛み、痒みの緩和
殺菌消毒成分(ベンザルコニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物) ……
鼻粘膜を清潔に保つ。カンジダ等の真菌類にも効くが、結核菌やウイルスには効果がない
抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム) …… 炎症の緩和
出典:登録販売者試験 令和2年度(関西広域連合 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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