72 歳男性。身長173 cm、体重63 kg。タール便があり、近医にて内視鏡検査を施行したところ、胃噴門部に腫瘤を認め…

薬学実践問題(物理) 第197問

72 歳男性。身長173 cm、体重63 kg。タール便があり、近医にて内視鏡検査を施行したところ、胃噴門部に腫瘤を認め総合病院の消化器外科に紹介となった。精査の結果、胃がんStage Ⅳ、肝転移及び多発リンパ節転移と診断され、胃がんの一次治療としてS-1*/シスプラチン療法(SP 療法)を導入することになった。そこで自宅にてS-1 の服用を開始し(Day 1)、Day 8 よりシスプラチン注射液を投与するため投与前日(Day 7)に入院となった。:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(処方)Day 1~21 に内服テガフール20 mg・ギメラシル・オテラシル配合口腔内崩壊錠1 回3 錠(1 日6 錠)1 日2 回 朝夕食後 21 日分Day 8 にシスプラチン注射液60 mg/m² : 120 分かけて点滴静注SP 療法に用いられる薬物及びその代謝物を水溶液としたとき、水溶液のモル電気伝導率が時間の経過とともに増大し、抗がん作用を発現するのはどれか。1つ選べ。

正答 (1)
正答は (1)。シスプラチンは水中で塩化物イオンが水に置き換わって陽イオンになり、イオンが増えるため電気伝導率が上がり、この形が DNA と結合します。 シスプラチンは電荷をもたない白金錯体です。水溶液中では配位している Cl⁻ が水分子と置き換わり(アクア化)、陽イオンの錯体と遊離の Cl⁻ が生じるので、時間とともにモル電気伝導率が増えます。アクア化した白金錯体は、DNA のグアニンの N7 位に結合して架橋をつくり、抗がん作用を示します。細胞内は Cl⁻ 濃度が低いため、この反応が進みやすくなります。
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【ほかの選択肢】 (2) テガフールは主に肝臓の CYP2A6 で5-FU に変わるプロドラッグ。水中でイオンを生じて活性化するのではない 誤り (3) ギメラシルは5-FU の分解酵素(DPD)を阻害する。抗がん作用そのものはもたない 誤り (4) オテラシルカリウムは消化管で5-FU のリン酸化を抑え、下痢などを減らす。抗がん作用はもたない 誤り (5) フルオロウラシルは細胞内でヌクレオチドに変換されて作用する。水溶液中で電気伝導率が増える反応はない 誤り

出典:第108回 薬剤師国家試験 問197(厚生労働省 公表)出典元ページ

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