軟鋼用被覆アーク溶接棒の心線について、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識 第21問
軟鋼用被覆アーク溶接棒の心線について、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)心線は、被覆剤とともにアーク熱で溶融し、接合しようとする継手を溶着する役割を持つ。
- (2)心線の化学成分やその均一性及び被覆剤組成は、溶接部の性質及び継手の性能に影響を及ぼす。
- (3)心線は、一般に、不純物の少ない良質の低炭素鋼を素材として作られる。
- (4)心線に含まれる炭素含有量は、溶接部の硬化割れを防止するため、一般炭素鋼材より少ない。
- (5)心線に含まれる硫黄は、適量であれば、溶接金属の機械的性質を向上させる。
正答 (5)
正答は (5)。これが適切でありません。
硫黄は、適量であっても溶接金属の機械的性質を向上させません。有害な不純物で、少ないほどよい成分です。
硫黄が多いと、高温でもろくなり(赤熱ぜい性)、割れやすくなります。
【ほかの選択肢】
(1) 心線は、被覆剤とともにアーク熱で溶融し、継手を溶着する 正しい
(2) 心線の化学成分やその均一性及び被覆剤組成は、溶接部の性質及び継手の性能に影響を及ぼす 正しい
(3) 一般に、不純物の少ない良質の低炭素鋼を素材として作られる 正しい
(4) 炭素含有量は、溶接部の硬化割れを防止するため、一般炭素鋼材より少ない 正しい
解説の続きをみる続きを閉じる
【心線に求められるもの】
炭素、りん、硫黄が少ないこと
成分が一定で、偏析がないこと
表面に錆や油がないこと
溶けてそのまま溶接金属になるので、心線の質が溶接部の質に直結します。
【りんと硫黄】
りん 常温でもろくなる(冷間ぜい性)
硫黄 熱いときにもろくなる(赤熱ぜい性)
どちらも減らしたい不純物です。「適量であれば良い働きをする」と書いてあれば、それはマンガンやけい素のような添加する元素の話です。
【炭素を減らすわけ】
炭素が多いと、急冷されたときに焼きが入って硬化割れする
心線の炭素は0.1%程度で、一般の炭素鋼材より少なくしてあります。
【偏析とは】
成分が一か所に偏って固まること
その部分だけ性質が違うので、弱点になります。
出典:普通ボイラー溶接士 2023年下半期実施分(2024年4月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
この問題と解説は当サイトの責任で掲載しています。内容について、安全衛生技術試験協会へのお問い合わせはできません。
最終更新日
「溶接棒及び溶接部の性質の概要に関する知識」のほかの問題
- 2025年上半期(2025年10月公表) 第23問軟鋼用被覆アーク溶接棒の被覆材の作用に関するAからDまでの記述のうち、適切なもののみを全
- 2025年下半期(2026年4月公表) 第22問JISによる軟鋼用被覆アーク溶接棒の区分記号に関するAからEまでの記号の説明について、適
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第21問軟鋼用被覆アーク溶接棒の心線に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合
- 2023年上半期(2023年10月公表) 第26問被覆アーク溶接でアンダカットが生じやすい場合として、適切でないものは次のうちどれか。
- 2024年上半期(2024年10月公表) 第25問被覆アーク溶接における溶接部に生じる欠陥について、適切でないものは次のうちどれか。
- 2024年下半期(2025年4月公表) 第24問次の図中(突合せ溶接継手)に示すA部(斜線部)の名称として、最も適切なものはどれか。
スポンサーリンク

