溶着法に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。…
溶接施行方法の概要に関する知識 第14問
溶着法に関する記述のうち、適切でないものは次のうちどれか。
- (1)前進法は、溶接方向と溶着方向が同一になるように溶着する方法で、終わりに近い方にひずみ又は残留応力が大きくなる。
- (2)多層法は、2層以上で溶接する方法で、溶接金属に焼なまし効果を与え、機械的性質を向上させることができ、ボイラーの溶接では多く用いられる。
- (3)対称法は、溶接線長手中央部から両端に対称的に溶接する方法で、振分け法ともいい、ひずみや応力が対称的にある点に対してまとめられる構造物に用いられる。
- (4)後退法は、溶接方向と溶着方向とが反対になるように溶接する方法で、終端に近い部分は前進法に比べ、ひずみや残留応力の影響を少なくすることができる。
- (5)飛石法は、溶接線を適度に断続して飛び石状に溶着を進める方法である。
正答 (2)
正答は (2)。これが適切でありません。
多層法が溶接金属に与えるのは、焼なまし効果ではなく焼ならし効果です。
あとの層を溶接したときの熱が、前の層をもう一度あたためます。急冷で粗く硬くなった組織が細かくなり、じん性が戻ります。これが焼ならし(ノルマライジング)にあたる効果です。
【ほかの選択肢】
(1) 前進法は、溶接方向と溶着方向が同一になるように溶着する方法で、
終わりに近い方にひずみまたは残留応力が大きくなる 正しい
(3) 対称法は、溶接線長手中央部から両端に対称的に溶接する方法で、
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振分け法ともいう 正しい
(4) 後退法は、溶接方向と溶着方向とが反対になるように溶接する
方法で、終端に近い部分は前進法に比べ、ひずみや残留応力の
影響を少なくすることができる 正しい
(5) 飛石法は、溶接線を適度に断続して飛び石状に溶着を進める方法
正しい
【焼ならしと焼なまし】
焼ならし 高い温度に上げてから空気中で冷ます。
組織を細かくそろえ、じん性を戻す
焼なまし 高い温度に上げてから炉の中でゆっくり冷ます。
軟らかくし、内部応力を取り除く
多層溶接の熱は、そのつど上がって下がるので、焼ならしのほうにあたります。内部応力を取り除きたいなら、別に溶接後熱処理を行います。
【多層法の利点】
一層ごとの入熱が小さいので、熱影響部が狭い
あとの層の熱で、前の層が焼ならしされる
欠陥を見つけながら進められる
ボイラーの厚板の溶接で多層法が使われるのは、これらのためです。
【溶着法の並べ方】
前進法 ずっと同じ向きに進む。終端のひずみが大きい
後退法 少し戻ってはまた進む。終端のひずみが小さい
対称法 中央から両端へ、左右対称に進む(振分け法)
飛石法 とびとびに区切って溶接する。変形が小さい
出典:特別ボイラー溶接士 2025年上半期実施分(2025年10月掲載/公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表試験問題)出典元ページ
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最終更新日
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