企業結合の会計に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。…

財務会計論 財務会計論 問題19

企業結合の会計に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(8点)ア.企業結合には,取得と持分の結合という異なる経済的実態を有するものがあり,取得とされた企業結合では,いずれかの結合当事者が取得企業として決定される。企業結合における対価の観点からは,主な対価の種類として現金を引き渡す場合には当該現金の引渡企業が,通常,取得企業となる。イ.企業結合に伴って発生するのれんは,発生時に一括償却し,その償却額を特別損失に計上する会計処理が認められている。これは,のれんの償却期間に対する恣意性の排除,貸借対照表の健全性の確保などを論拠とする。この会計処理は,のれんの金額に重要性が乏しい場合を除き,のれんの効果の及ぶ期間を合理的に見積った結果として,のれんの償却額が企業結合年度に全額計上される場合の会計処理と同じになる。ウ.企業結合の目的が,被取得企業の事業に存在する特定の無形資産の受入れであり,その金額が重要になると見込まれる場合がある。この場合,当該無形資産は,分離して譲渡可能なものとして取り扱われ,識別可能資産として取得原価を配分するが,分離して譲渡可能な無形資産であるか否かはその実態に基づいて判断すべきである。顧客リストや被取得企業の事業に存在する労働力の相乗効果は,分離して譲渡可能な無形資産に該当しないが,ソフトウェアや研究開発活動の途中段階の成果は,該当することがある。エ.子会社が親会社株式を支払対価として企業集団外の他の企業と企業結合する場合には,当該子会社が属する企業集団からみると,親会社が企業結合の対価として自己株式を処分する取引と同様に考えることができる。このため,子会社の個別財務諸表上,損益に計上した親会社株式の処分差額は,連結財務諸表上においては自己株式処分差額に振り替える会計処理が求められる。

正答 (3)
正答は (3)。取得では取得企業を決め、現金を対価とすれば通常その引渡企業が取得企業で(ア)、子会社による親会社株式の処分差額は連結上自己株式処分差額とします(エ)。 「企業結合に関する会計基準」と同適用指針を問う問題です。 【各記述】 ア 正しい。取得とされた企業結合では、結合当事者のいずれかを取得企業として決めます。主な対価が現金などの財産の場合は、通常、それを引き渡す企業が取得企業です。 イ 誤り。のれんは20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却します。発生時に一括して特別損失とする処理は認められていません。重要性が乏しい場合に、発生した年度の費用として処理できるだけです。
解説の続きをみる続きを閉じる
ウ 誤り。分離して譲渡可能な無形資産の例には、ソフトウェアや研究開発の途中段階の成果のほか、顧客リストも含まれます。被取得企業の労働力の相乗効果は該当しません。顧客リストを該当しないとする点が誤りです。 エ 正しい。子会社が親会社株式を対価に企業集団外の企業と結合する取引は、企業集団からみれば親会社が自己株式を処分するのと同じです。子会社の個別上の損益に計上した親会社株式の処分差額は、連結上は自己株式処分差額に振り替えます。 正しいのはアとエで、(3) です。

出典:2024年(令和6年)第Ⅰ回 公認会計士試験 短答式試験 財務会計論 問題19(金融庁 公表)出典元ページ

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「財務会計論」のほかの問題

  1. 2023年(令和5年)第Ⅱ回 財務会計論 問題8次の〔資料〕に基づき,資本金の変動額として最も適切なものの番号を一つ選びなさい。なお,新
  2. 2024年(令和6年)第Ⅱ回 財務会計論 問題10次の〔資料〕に基づき,会計方針の変更により遡及適用を行う場合,当社の前期(X4年4月1
  3. 2025年(令和7年)第Ⅰ回 財務会計論 問題12当社(会計期間は1 年,決算日は3 月31 日)が貸手となる次の〔資料〕の所有権移転外フ
  4. 2025年(令和7年)第Ⅱ回 財務会計論 問題19次の〔資料〕に基づき,A社~E社のうち,P社が持分法を適用する範囲にある会社の組合せとし
  5. 2022年(令和4年)第Ⅰ回 財務会計論 問題21P社は,X1 年度末(X2 年3 月31 日)に米国にあるS社の発行済株式総数の100
  6. 2023年(令和5年)第Ⅰ回 財務会計論 問題1財務会計の役割に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びな

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク