棚卸資産に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。…
財務会計論 財務会計論 問題5
棚卸資産に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な番号を一つ選びなさい。(8点)ア.棚卸資産の払出数量の把握には,棚卸計算法と継続記録法がある。棚卸計算法は,期首棚卸数量と期中受入数量の合計から期末棚卸数量を控除することにより払出数量を算定するため,払出しの記録を必要とする継続記録法に比べて事務的に簡便な方法であり,早期の決算確定および開示を求められる上場企業において推奨される方法である。イ.売上原価等の払出原価と期末棚卸資産の価額を算定するための棚卸資産の評価方法として先入先出法がある。先入先出法は,最も古く取得されたものから順次払出しが行われたとみなして払出単価を計算する方法であり,一般に棚卸資産の物理的な流れと合致した方法であるが,物価変動時には期末の貸借対照表価額が期末の時価と乖離する傾向にある。ウ.不動産会社が保有する土地・建物等の販売用不動産のうち,収益性が低下しているものについては,「固定資産の減損に係る会計基準」を適用して減損処理の要否を検討するのではなく,「棚卸資産の評価に関する会計基準」を適用して簿価切下げの要否を検討することが適当である。エ.当初から加工や販売の努力を行うことなく単に市場価格の変動により利益を得るトレーディング目的で保有する棚卸資産については,時価をもって貸借対照表価額とし,帳簿価額との差額(評価差額)は,当期の損益として処理することが適当である。
- (1)アイ
- (2)アウ
- (3)アエ
- (4)イウ
- (5)イエ
- (6)ウエ
正答 (6)
正答は (6)。販売用不動産は棚卸資産の基準で簿価を切り下げ(ウ)、トレーディング目的の棚卸資産は時価で評価して差額を当期の損益とする(エ)からです。
【各記述】
ア 誤り。棚卸計算法は払出しの記録が要らず簡便ですが、棚卸減耗が払出数量に紛れて把握できません。管理の面では継続記録法が優れており、上場企業に棚卸計算法が推奨されているという事実もありません。
イ 誤り。先入先出法では期末の棚卸資産は最も新しく取得したもので構成されるため、物価が変動しても期末の貸借対照表価額は時価に近くなります。期末の価額が時価と乖離しやすいのは、古い単価が残る方法(後入先出法など)です。
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ウ 正しい。販売用不動産は棚卸資産です。収益性が低下しているものは、固定資産の減損会計ではなく「棚卸資産の評価に関する会計基準」によって簿価切下げの要否を検討します。
エ 正しい。トレーディング目的で保有する棚卸資産は市場価格に基づく価額(時価)を貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理します。
正しいのはウとエで、(6) です。
出典:2025年(令和7年)第Ⅰ回 公認会計士試験 短答式試験 財務会計論 問題5(金融庁 公表)出典元ページ
最終更新日
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